2011
08.06
08.06
ジョルノは裸イヌであります。
私がいたずらしてカットしたのではございませんです。
はじめから、生まれつき体毛がないのであります。
別名、湯たんぽ犬。
体温がたかいので、寒い冬には老人を温めてくれるのでございます。
コレはホントの話でありますよ。
が、体毛がないので、冬は服を着せればいいのですが、夏場はどうしても体調を壊しやすいのであります。とくにこの夏はクーラーをひかえているだけでなく、温度差が妙に激しいのであります。
こうして、なにごとか思索しているようにグッタリとしているのであります。
私メも、昨夜のお酒がまだ効いているのか、蒸し暑さに、五十代のカラダをもてあまし、ジョルノのとなりに大きな顔を横たえるのでありました。
こらこら、そんなに乳首ばかり見つめたら、痛いではありませんか。いい加減にしてくださいまし。
新刊本の企画を考えなければならず、そのための昨夜の飲み会だったのですが、考えるどころか、参考資料を見る気にもなれないのであります。
「明日でイイかぁ」
なんておもったりするのであります。
ジョルノはもともと病弱なので、そう寿命が長いとはおもえないのであります。
イヌは五歳あたりで持病によって死んだりするものであります。
「つきあった長さじゃないと思うのよ」
遠い昔の女の子の声がきこえてきました。
「たった夏の一か月だけでも本気で愛し合ったら本物だとおもうの」
私はなんと答えたのか定かではありません。
「やっぱり長さだよ」
といまなら答えそうであります。
「本物なんていりませんし…」と付け加えるかもしれません。
ニセモノでもいいから、もうすこし生きてくれよ。
なんて酒臭い息で考えたりするのでありました。
『もうすこし生きてくれよ』
先生が願えば、そうなるような気がいたします
よいこともそうでないこともそうであったように・・・
思いのつよい先生を怖くもあり、魅かれるところでもあります
●十傳より→旧約聖書によると、神は自分に似せて人間を作られたとありますです。つまり人間はもともと神のニセモノ。それでも神はそのニセモノを「もうすこしちゃんとしてくれよ」と見ているということになるのでありましょうか。ジョルノは飼い主より、自分のことで精いっぱい。人間もまた自分のことでてんてこ舞い。これでイイのであります。ニセモノはニセモノとして生まれて、そしてやはりニセモノとして死んでいくのであるのでありますねぇ。
乳首、じーーーっ。
そもそも、本物って…何なんでしょう…?
みんなが本物って言うから本物のような気がするけど、
あたし自身が満足なら、ニセモノでもいいかなぁ…。
●十傳より→みんなが否定するものがホンモノであります。