2014
09.19

神田という言葉の響きを耳にすると、同時に、若き日の思い出が乱れて思いだされるのであります。

一つの思い出から複数の思い出が芋づる式によみがえり、すると当時の風の重さや、町の匂いまでが胸に迫ってくるのでございます。

店は変わっても、建物や全体の雰囲気は当時のまま現存しているワケでありまして、関わりのあったお女性も若いまんま、笑顔で手を振っているのでございますです。

寿司屋もありまして、そこは常連になると、過去が過去ではなくなりますから、年に一二度足を運ぶにとどめておるのであります。

この神田界隈に、思えば20年以上も縁があったのでございます。

「んだんだんだたたたた」
と、完全に忘れていた人の名も、上から下まで、ほほとんど反射的に口にのぼるから不思議でございますです。

ふたたび、ここで部屋をレンタルして、講義をするのかと考えますと、初恋のお女性と長い時間を経て、めぐり合ったような純な気持ちになるのでありました。
「だよね」
「やっぱ?」
と街角で再会することは現実では起こり得ないことかもしれませぬが、起こり得ないことでもございませんです。

しばし、懐かしの町の一隅にたたずむ私メに、怪訝なまなざしを投げかける人々。
「なーんにも知らないクセに」
と、あのころ弾力のあるおヒップをしたお女性の幻を追いかけるのでありました。

  1. 客引きが多かったようです。名残はまだ残ってますが?先生が好きそうな店も何軒かあるようです。様変わりしましたね 。ピンクベアーなんてスーパーありましたけどそれすらありません。

    ●十傳より→駅前に数件あるきりでありますが、私メの記憶としては、それほどエゲツない店はなかったよーな。