2012
06.05

占いという奇妙な仕事をしていますと、じつに奇妙な人々が集まるのであります。

大阪出身の商人も、その一人であります。
「いいものが手に入りまして…」
とテーブルに、このようなモノを置いたのであります。

「なんですか?」
と聞く気力も失せるのであります。

商人は、「これはやなぁ…」
と語りはじめるのであります。
横浜の科学者が開発した「気」を浄化するマシンらしいのであります。

電気の差し込み口にプラグをはめ、これを空気清浄機につなぐと、その性能が三倍になるとか。
あるいはオーディオ機器にセットすると、澄んだ音色を聞くことができるとか。

なんでも、筒の中には、岩石を何千度かで溶かした石の結晶が詰まっているらしいのであります。
「ダイヤモンドより固いんでっせ。絶対に割れへん物質やで」
「しかしなぁ、これじゃ美しくないよ。エロのオモチャでも不気味で使えないよ」

それではと、商人はこんどは、コレをカバンから出したのであります。
「その石の結晶を砕いて粉末にしたものが、この中に入ってましてやな」
と、頭に巻き付けたのであります。
「集中力が高まること間違いナシや。ヘッドベルトdeトーダイや」

聞けば、これを巻いて勉強して過去に東大に何人も合格したとか。

けれど、新製品で、どーやって過去の入試に間にあったのか、いやいや、そもそも絶対に割れない石の結晶体を、いかにして粉末にしたのか。

お笑いでありましょうか。
が、世間に似たようなモノがじつにたくさん出回っているのは事実であります。

占いとか宗教と結託すれば、案外、儲かるのかもしれませぬ。

が、ご安心くださいまし。
かようなものを売ろうとは、少しも思ってはおりませぬゆえ。

今度の「セミナー+ワインの午後」で、ヘンなモノ売りつけられるのではなかうかと思っているならば、その心配はゼロであります。
純粋に皆様と楽しく、運の上がるようなお話をしたいというだけなのでありますです。

その商人は、私メがノラないのを見てとると、最期に、このような薬を置いてたのでございます。

これはセシウムをゼロにする薬とか。
「六歳以下は、いちにち一錠、大人はやな、八錠のんだらよろしいがな」

怖くてとても飲めませんです。

が、こういう商人の話はじつに楽しいのであります。

IT屋より、ずっと人間臭いのであります。

政治家より信用できるかもしれませぬ。

こういう人種は貴重でありまして、それこそ生々しい情報を聞くことも出来るのでございます。

「ほしたら、こんどはオノはんのお好きな色モノをもってうかがいますよって」
と、ニコニコ帰って行きました。

私メも20代のはじめの頃に、清水焼の叩き売りを一年ほどやっていたことかありまして、これら的屋商人に冷たく接することが出来ないのであります。

あっ、私メはけっこう叩き売りが性にあっていたのか、オクラホマの百姓に大人気で、完売したこともあるのでありますよ。
…遥か遥かの昔の思い出であります

  1. 十傳先生こんばんは。

    怪しい商人さん!とっても楽しい方ですね!

    ドラマの様でもありますし!まるでドラえもんの四次元ポケットを持っているみたいです。

    ワクワク致します。
    先生が怪しい物をオススメ致しましたら皆さんお買い上げだと思います。

    薬まで(笑)ビックリ致しました。

    商人さんに注文があります、永遠に効き目のある惚れ薬ありませんかね?

    ●十傳より→定期的に飲み続ける薬じゃないと商売にならないではありませぬか。いやいや、私メが言うのではなく、あくまで商人に身になって思ったわけであります。

  2. ええっ?
    先生が清水焼の叩き売り?
    お茶碗とか湯呑とかですか?

    そんな想い出話をもっと聞かせてください!

      ●十傳より→自慢するようなことは、なんにもありませんけどねぇ…。

  3. 昨日の十傳メールで「今日から海王星が逆行に入ります。・・・」とありましたが、十傳先生監修2012年開運招福カレンダーの6月4日の欄には「海王星が順行に戻ります。水を大切にする日です。」と記されていますが、どういうことでしょうか?一日で、順行から逆行になったのでしょうか?

      ●十傳より→ありゃりゃりゃ…。よくぞ見つけていただきました。カレンダーが間違っております。4日から海王星は順行です。日付の誤差は、これは暦によってまちまちなのであります。ありがとうございましたであります。カレンダーはこのほか、7月2日は陽遁開始とありますが、陰遁開始の間違い、7月13日、海王星が逆行開始とあるのは、天王星の間違い、12月29日、陰遁開始は陽遁開始の間違いであります。汗顔モノでありますが、プレミアムと受け止めていただけませんでしょうか…。ケロケロ。

  4. なんか金運がないのかお金が遠退く一方…

    風水尺の財庫の財布を探し買ってみることにします。

    怪しい商人ってどこにでもいるもんですね。

    だましとられないよう気をつけたいです。

    ●十傳より→商売ってのは、もともと「だまし」の要素があるものでして、「儲け」の部分は、つまりダマシ取った分なのであります。そのダマシ取った分の分け前をよこせと迫るのが税金。つまり国はダマシを認めているわけでありますです。

  5. 出来れば財庫や成林に当たる財布でいいんでしょうか?

    風水尺的に?

    ●十傳より→商売をしているお方は「財庫」。お勤めのお方は「成林」のサイスがよろしいかと。

  6. わかりました。あとギャンブル用の財布というのはまた違ったものになるのでしょうか?

    ●十傳より→ギャンブルのヤツは、ちょっと悪いサイズのがいいかも…おっと、口が滑りましたです。