2015
09.15

十傳スクールの断易高等科で、ちと口を滑らしてしまった「奇門遁甲新陰流」について、
「面白いかも」
と、ぼんやりとお酒をふくみつつ思索に耽るのでございました。
つまみは北海シマエビ。

胃にほどよくつもるエビに日本酒がやわらかく沁みるのでございます。

なにごとにも表と裏がございます。
徳川幕府の剣術の指南役として柳生新陰流が有名でありますが、もうひとつ、小野派一刀流というヤツもあるのであります。

一刀流は典型的な剣術でございます。が、修行や稽古の厳しさに将軍家がついていけなかったという説もございます。また時代が剣術を必要としなくなったとも。

一方の新陰流は剣術より政治対応の道へと逸れていくのであります。そして時代に合致していたのでしょうか。新陰流を将軍家が重んじたようでございます。

弱い人間でも強い相手に勝つことのできるのが新陰流であることも魅力のひとつでありましょうか。

これを奇門遁甲に導入すれば無敵となるのであります。
吉方位を使っても効果が出ない人が新陰流の極意を知ることでてきめんの作用に驚くことは間違いございませぬ。

陰と陽に近い考え方は西洋にもありまして、たとえば知恵の木。
アダムとイブが、この木の実を食べたために地上に追放されたのですが、天上には「生命の木」もあるのであります。
生命の木はカバラ占術として発展したことは、旧約聖書にしるされているはずもございません。

「奇門遁甲の最奥義は、方位などに縛られることなく好きな時に好きな方位に行くことだ」
と、初等科の皆様にまたまた口を滑らせてしまい、受講生の皆様全員が水を打ったよーに静まりかえったことを記憶しております。
けれど、奇門遁甲新陰流とは、まさにソレなのでございます。

賢明なお方は、初等科の後半の講義に「うんうん」とうなづいておられましてヤバイと教えることにためらいをおぼえたのでございましたが、「そんなんことはプリントにしてくばったらええのんとちゃいますか」と大阪弁のお方がヤバイ気配を逸らしてくれたのでホッと胸をなでおろしたものでございました。

長くなりましたのでこのくらいでヤメにいたします。