2015
09.03

こんな素敵な焼酎のぐい飲みをいただいたのでありました。
芋焼酎をぬるめに、梅干しなど入れて飲んでおるのであります。

博多に男のお客様と行ったことがございます。もう15年以上も前になります。
マンションの部屋探しのためであります。
そのお方はホモなのでありました。

ですからとても危険なのでありました。

その日の仕事が終わったら、姿をくらまさねば操の危険がございます。

毎晩、中洲の飲み屋に繰り出す羽目となったたのでございました。

ある居酒屋で、「焼酎を」と注文いたしました。
「米焼酎を」と。
居酒屋に居合わせた人たちは、瞬間、異様な沈黙になりました。
「いや、麦焼酎にします」
と変更しましたが、白々しい沈黙。
そこではたたと気づき、「いやいや、芋だ、芋でなくては!」
などと叫んでみました。

と、皆、肩から力を抜いたよ―な気配を漂わせ、止まった時間が動きだしたのでありました。
そこで調子づいた私メは、いっきに焼酎を飲み干しまして、「もう一杯」と手の甲で唇をぬぐって見せたのでございます。

「おーっ!」
という歓声と拍手が沸き起こりましたから、さあ大変であります。
ウケ狙いのために二杯、三杯、四杯、五杯とお代わりをしたのでありました。

いまではそんな無茶はできません…とは思っているのですが、帰りはへど臭い焼酎独特の匂いを放ちつつホテルへ。
お陰さまでホモ被害は防げましたけれど、博多での思い出はイモ焼酎の匂いで満たされております。

本格派は、お湯に焼酎を注ぐのでございましょう。
70度をこえる熱湯は、芋の糖分を壊すからだとか。

が、私メはイモ焼酎に熱湯を注ぎ入れる邪道が好きであります。

ロックも好きであります。
舌の先が火傷するほどの揚げたてのさつま揚げをホクホクさせつつ、紅生姜の塩っ気と焼酎が口の中でとけあう味が大好きなのであります。

今宵は、やがてこの器に氷をどっさり入れ、焼酎をつぎ足し、喉を晒して一気に飲むことになるのでありましょう。

ホモ男君はどーなったのか。
そういうことも思い出しつつ。