2015
09.09

台風の嵐のなかをクロネコの使者がちいさな段ボールを届けてくれたのであります。

山くりと茗荷が入っておりました。初茸という好物のキノコもございました。お金は入っておりませんでした。

祖母が生きていた頃は茶封筒が箱の隅に隠れるよーに、くばくかのお金にあったものであります。

そして、ふるえる字体で、いつ帰った来るのかだとか、健康には気を付けろとか、何ごとにも真面目にくらすよーにと書かれた手紙も同封されていたのでありました。

八月はセミナーなどがあり、モリオカに戻っていないことを、私メは意識に宙吊りにしているのでございます。
「お手伝いさんでもやとおうか?」
「まだ大丈夫だぁーん、かえってめんどくせぐなるおん」
と電話で会話しております。
また86歳だったかでも平気で車の運転をするのでとうぶんは平気かなと「んだば、そのうち」を納めの言葉としてケイタイを切るのでございました。

茗荷は実家のガレージの裏のモノでありましょう。
山ぐりは散歩途中で拾ったものだとか。
キノコは「あんだが好きだつたことを思い出してね。今でねばねぐなるがら」とのことでありました。

手帳をめくると、ちと予定がつきませぬ。連休のあとになるでしょう。
が、もしも危篤だとなれば、すべての予定を繰り上げてモリオカに向かうことになるのだから、忙しいという裏には面倒くさいという気持ちもあるのでしょう。ものごとに優先順位をつけているわけであります。

味噌はどーなったかと聞きましたら
「手付でねぇ、ほったらかしたまんまだ」

これは大変。
九月中には何がなんでも戻らねば。