2015
09.21

奇門遁甲に於いて、甲は甲尊というくらい遁甲の中心的存在なのであります。
王様と思っていただいて間違いはございませぬ。

乙、丙、丁は、その家来ですが三奇と呼ばれて身分は上。貴族的身分でしょうか。

この下に六義である戊、己、庚、辛、壬、癸が控えてございます。
この六義はチャンスさえあれば甲尊になれるのでありますが、三奇にはなることはかないませぬ。

そういう遁甲の理屈をちょっぴり知っていると奇門遁甲はクグッと身近な感じになりますですよ。

今回は、甲尊についてお話をいたしましょう。
甲は偉いのでありますが、天盤が甲は「青竜返首」の格があるだけ。乙なんかは地遁とか乙奇得使など色々あるのに比して寂しゅうございます。

乙、丙、丁が血筋のイイ家系だとすれば、甲は尊と奉られつつも。その出は、どこの馬の骨ともわからぬ六義という下層階級だからかもしれませぬ。
さて、しかし天盤甲はいろいろとお得なのでございます。
まえに「奇門遁甲考 青竜返首」でもお話ししましたが、その続きでございます。たとえ「青竜返首」ではなくても、天盤甲の盤には、八神の最大吉神である「直符」がセットでくっついているのでありますから。
もちろん例外盤もございます。

ものは試しに、拙著「奇門遁甲術入門」の巻末の遁甲盤をどこてもいいから広げてチェックしてみてくださいまし。

ほら、天盤甲とところに、きまって「符」とあるでしょう。それが「直符」なのでございますですよ。
配合の吉凶判定は、八神は九宮と対照させますが、直符は五黄との配偶だけがヤバいだけで、あとのどの九宮との配合も吉。

ですので、天盤甲の方位は、他の方位より優遇されているのでございます。

「じゃあ、甲の付く方位に行けばイイのですね」
と言われると、それは何とも…でございますではありますけど。

奇門遁甲初等科は、この奥へと進んでいくのでございまして、ブログではここまでしかお話しできませぬ。

でも、コレだけでも、なんとなく賢くなった気分じゃ、ございませんでしょうか。

陰陽五行説などを崩しつつ、生活密着的な解釈で奇門遁甲に接することが大切なのですが、これはまた次にお話いたしましょう。