2015
09.16

どんなところにも裏切り者はおりますです。
濁情の裏切り者、人間関係の裏切り者、仕事の裏切り者、占いにだってたくさんの裏切り者が存在しております。

アンフェアっても言いますね。

「教壇に向かって右側の前方席の人は大切にするよーに」
これは師匠から言われたことでございます。
「お金持ちが好む席ゆえに」と。

「では左の前方席は?」
と尋ねましたら、
「こちらも大切だ。勉強に対して真面目に取り組む席だからだ。賢い人が座る」

「じゃあ、後ろの席は?」
と訊きましたら、
「ユダ光秀の席だからつねに注意を怠らぬよーに。よそ者(他流派)も混じっておる」
とのことでありました。

自分を振り返るとたしかにそーでありました。
講義を受けたいけれど人間関係は構築したくないセミナーにいくどか参加したことがございますが、ふしぎとユダ光秀の席を選んでしまうのでありました。
講師には反感を覚えつつも、資料だけ欲しくて参加したセミナーも同様でありました。

テキトーな占いカルチャースクールに出たときも、ユダ光秀の席で、小ばかにしたよーに講師の話も半分に、開いたPCの画面を眺めつつ聞いていたものでございます。

私メは濁情のお話をしているのであります。
相手を否定しながら、交際を続けるユダ光秀のお話を、セミナーになぞらえて語っているのでございます。

「妙だな」
と一瞬でも感じたら、相手は自分にすくなからず反感を抱きつつセックスをしていると断じて間違いはありません。
相手の口臭がきつくなったときも同様であります。
裏切に対する対処のため本心を語ってはなりませぬ。

「どーしたの、さいきん?」
などと訊くだけ無駄。
相手は飽き飽きしつつも、ユダ光秀になる時を待っているだけでございますから。

私メはこれでもひどくプライドだけは高こうございまして、相手がタメ語に切り替わったときに、言いようのない違和感を覚えますです。最初からのタメ語は意に関しませぬが、丁寧な言い方から突如としてタメ語を変わられると「こいつもいずれユダ光秀になるのでアローか」と確信し、その判断を誤ったことはございませぬ。まぁ若い子ならイイんですけどね。

また生き方や考え方にとやかく非難じみたことを言い始められたときも「そろそろ裏切りの狼煙を、こやつは上げるだろう」と直感するのでございますです。
私メは相手がお女性だろうと男だろうと誰だろうと、私メの生き方に対するアドバイスを不要としておりますです。
「私メを変えようとするより、私メに合わせればイイではないか」
と申しましたら泣き怒りされたこともしばしば。

タメ語を微笑みつつ腹の中では「近々に泣く運命でアロー」とつぶやくのでございます。が、もしかすると相手にとって私メこそユダ光秀なのかもしれませぬが。お女性によってはタメ語は信頼のシルシと信じているお方もございますから裏切り者は私メに映るかもしれませんですね。

とにかくこの世に裏切りは付きモノであります。
とくに信じていた人ほどユダ光秀になるもの。
このことさえ肝に銘じておけば本能寺でやられることも、磔にされることもございますまい。

でも、裏切られるのもまた楽しみの一つになっているお年頃なので困ったものでありますね。