2013
05.25

陰陽五行とかに忠実に四柱推命を解こうとしても、なかなか上手くいきませぬ。

たとえば、

時 日 月 年
癸 乙 壬 壬
未 未 寅 子

というお女性の生年月日があったとして、日主の乙に寅と未未と通根し、しかも壬から、水生木と生じられるから、とても強い運勢の持ち主のように考えられますです。

が、季節は春であります。春であっても寒いのであります。
壬、壬、癸と水が三つもありますから、これは季節が真冬に戻った生年月日と判断しなければなりませぬ。未には火と土と木があり、寒さにヤラれているとは言え、わずかな火によって自分を維持しているのでございますです。

乙はお花。
お花は太陽のもとで、キレイに咲いてこそ存在価値がございます。
キレイに咲くことで金運も人気運も輝くのであります。

しかし、この生年月日は、氷の中の花。
寒さにしおれておりますです。

暗いことばかり考え、人の意見を悪く悪く受け止めてしまいますです。
ご自分ではナイーブな性格だと錯覚しているかもであります。
未は、この人にとって財星。
けれど手に入らないお金でありますです。
いつもお金のことばかりを考えている傾向だと分かりますです。
食っていくにはなんとかなりますですが、天干に出ていないのでとてつもないケチなお方と申せます。

では、この生年月日を救うには、太陽の運(丙)がイイのか。
いいえ、太陽運が来れば、氷が一気に溶けて濁流となって、このお花を流してしまいますです。
なので、シッカリとした木が必要であります。
木に巻きつくことで、濁流に流されずに済みますです。
未の中の火が、かろうじて木に巻き付く力を残しておりますです。

それを無意識にでも察しているのか、こういうお女性は名のある男に頼りたがりますです。あるいは宗教的なものかもしれませぬ。

こうやって陰陽五行をある程度破りながら、見ていくことで、その人の本当の姿が浮きだされるのでありますです。
それは日々の生活でも同じように出ますです。
食事のメニューの注文の仕方にも、友達付き合いにも、濁情にも出てきますです。

私メからみれば、
「ああ、お金のことになると鬼のようになる人だな」
と注意することも分かります。
しかし、それを言ってはなりませぬ。

人は、自分の本当の姿を見たくないモノでありますから。

あ、この命式は、暦を無作為にめくったものでありまして、特定の人を指しているのではございませんです。たとえば、の例として挙げただけであります。

十傳スクールの四柱推命は、一年間でこのくらいの鑑定技術をつけられることを目指していることを、ちと自慢しただけのお話でありますです。
当たり外れなどということを凌駕する鑑定方法でありまして、どこに、その人の生きる意味かあるのか、存在価値はどこなのかを探っていくのでありますです。
易者などになる必要はひとつもありませぬが、こういう特殊ではあるけれど、ズホッと人の内面を知る技術を身につけておくことは、きわめて魅力的な武器になるモノと存じますです。