2015
01.12

成人の日。
茅ヶ崎はお嬢様方が二十歳の式典のために和服に着飾り、まるで宝石をちりばめたように街は輝いておりました。

私メは、なぜか成人式の招待状が届きませんでした。もう40年前のお話になりますけど。

招待状が届いても、おそらく破り捨てていたことでありましょう。

しかし、何となく落ち着かぬまま賑やかさを求め平安神宮に赴いたのでございます。そこで20代の運勢を占おうとおみくじを引きました。
出たのは「凶」。縁起でもないと再度、引きました。「大凶」でございました。
立ちくらみのようなものを覚えつつ、三度目の正直にとみたび引いたのでございました。またしても「凶」だったのであります。

まだ占いをしようとも思っていない頃でして、そのショックは後に残りました。絶望の20代でして、失敗するたびに「凶」のおみくじが蘇ったものでございました。

後年、四柱推命でみたら開運するのは40歳からということ。じじつ、占いでメシを食えるようになったのは42歳頃からではなかったかと思いますです。
39歳の頃でしたか、調布から辻堂に奇門遁甲の丙奇の吉方位で引っ越してきました。
が、その二か月後に所属していた銀座ジプシーから放り出され、路頭に迷うことになったのでございます。奇門遁甲は当たらないと思ったものであります。
が、応期は八か月後。
果たして、吉方位の効果が出始めたのであります。
もしも銀座ジプシーに所属していれば、どーなっていたか分かりませぬ。フリーになれたからこその幸運でございました。

奇門遁甲の吉方位は、そういう荒療治も伴いますです。ちちょっと使って、効果云々を決めると失敗いたしますです。根性も要しますです。どこまでも原則に従い使い切ることが大事であることを、身をもって体験したのでございます。

凶のおみくじを引いてから40年。
若さは羨ましいけれど、20歳の戻してやると言われても、お断りいたします。

占いは魔法ではなく、ある方向性を示唆してくれるものであり、そのなかには「まさか」という方向性もございますが、「もうどーなってもいいじゃ」と投げやりに従ってみることも大切かも知れませぬ。