2017
12.10

結局は、今年も神戸ルミナリエ観光は出来なかったのであります。

講義の後、鑑定などがございましたから。
いつものように場末の王将で一人寂しく餃子を三人前。

夜風がホテルの部屋にまで忍び込むような寒い一夜なのでございました。

そして、朝。
朝食会場でのこと。

「あら、お日様がでて神戸の街が輝いているわ」
と隣のご婦人?
「パンも美味しい!」

すると、向かいに座っていたこ亭主が、
「おまえさ、昨夜からヘンだぞ」
なるほど、ご婦人と記しましたが、そういう感じではないのであります。
「レタスの仕分けのことで頭がいっぱいだっつうのによ」

盗み見しましたら、ご婦人もご亭主の手も苦労人の手なのであります。
ごっつくて…八百屋さんではないかと推測したのであります。

八百屋のおかみさんは、神戸に酔い、少女の頃の夢を見たいのでありましょうか。
股をひろげ両足を踏ん張るよーな姿勢で、パンをゲロ飲みしながら、
「いけなーい、お珈琲をもってこなくっちゃ。あなたもお飲みになる?」
ご亭主はあきれ果てたのか、無言。

私メが、寒さに震えていた昨晩、このご亭主は、暑苦しくてたまらなかったことと存じます。

パンくずを、えんじ色のフリースにくっつけ、小指を立ててお珈琲を持ってきた、おかみさんに、私メも言いたかったのであります。
「朝からヘンだぞ」と。