2018
02.20

すでに、ウンコになって体外に出てしまって久しいのでありますが、そのイカの生前の姿なのでありました。

画像に納めてから数分後には、私メの手によってさばかれ、私メの胃袋に動き、もがきながら納まったのでありました。

数分後の未来も分からぬのが、生者の宿命であります。
ギャンブルなどは、未来が見えぬ宿命を逆手にとって、胴元がお金儲けにつなげるアイディアなのでございましょう。

が、もし数分後に死ぬと分かってしまうような未来を知る能力が備わっていたとしたら、正気でいられましょうか。

占いで
「お前は一生、その生活から抜け出ることは出来ないのだ」
と告げられただけで卒倒するほどの絶望にうちひしがれるはずだからであります。

いいえ、未来を知るどころか、自分自身を見てしまうのも絶望の正体でありましょう。鏡などでしか自分を見ることはできませぬ。肉眼で、街を歩く自分を見ることは出来ませぬ。
手は見えても、足は見えてもペニスは見えても、顔は見えませぬ。

自分の不在の世界を常に見ているだけであります。

たまに私メが誰かと談笑している画像をみると、
「へえーっ」
不思議な感覚につつまれますです。
「歯茎をむき出しに笑って、こんなに醜いんだ」
「うわっ整形がガッキリと分かってしまっているんだ」
などなど。
その羞恥的絶望を他人に訴えても、分かって貰えることではないのでございますです。

未来も知らず、自分自身も見えないこの世とは、いったいどういう世界なのか、ちょっと発狂しそうになりますね。