2020
11.17

中国人がもたらした新型肺炎コロナの第三波が、日本中にとぐろを巻く中、郷里のモリオカへと新幹線に乗り込んだのでありました。
三分前に出た金沢行きの新幹線ほどではありませんが、東北新幹線の乗車率はたかく、5月の自粛の頃が懐かしいのでありました。

モリオカも、すでに清くはなく、疫病に感染し淀んで濁り汚れてしまっているのでありました。

東京駅で乗り込んだ時から、妙に不機嫌なのでありました。

老人性の癇癪が爆発しそーでありました。
きっと脳の海馬が縮んで、おまけに十六夜だからだと自己判断。

目を閉じ、骨伝導のイヤホーンで音楽を聴くことにしましたが、ダメでありました。

「中国人も南朝鮮人もアメリカ人もいないのに…妙だな」
いつもなら老人性のイライラは午前9時には引けていくのですが、10時をまわっても、さらに激化してくるのでございました。

日本のジャズに音楽が切り替わると、
「日本人にはジャズをさせないよーにと、ニューオリンズの黒んぼどもが抗議して騒げばいいものを…」
とか、
「すぐに他国を真似る日本人のサル根性は醜いばかりだ」

昼前にモリオカに到着。

思いっきり不機嫌な表情でモリオカ駅の改札をぬけ、ヨボヨボ爺の運転する中央タクシー、これがボロボロの旧型で、実家に到着するまで4度もエンストを繰り返すのでありました。

妙だ、おかしい、イヤな予感がする。

ああ、お庭が…。
ボクのお庭が…。

ま、まるで百姓だ…。

老母は私メのいないことをイイ事に、ボクのお庭に干し柿を吊るしていたのであります。
妹の亭主である千葉氏にヤラせたのは、その粗末な結び目を確認するまでもありません。千葉氏は老母の下僕でありまして、言いなりなのでございます。

不機嫌な予感は、コレだったのかもしれませんです。

頭の中で、私メは自動小銃でモリオカ中の奴らを撃ちまくっていたのでありました。
グラタタタタタタッ!
と。
千葉氏は頭を撃ち抜かれ、老母も口から血を飛ばし、通行人は次々にナギ倒れ、男もお女性も年寄も乳飲み子も屍の山と化していくのでありました。
「百姓、百姓、ドン百姓め!」

それから、
干し柿が見えないように、自室のブラインドをおろし、写経をするがごとく、仕事をするのでありました。