2020
10.06

奇門遁甲本を出したら、質問などが寄せられます。
「質問に応じません」
基本態度は、ソレなのですが、多少、良心が痛むこともございますです。

たとえば、
玉女守門格の吉格と、朱雀投江格の凶格が同居するケースなどがございますです。

丁 芮 三
癸 休 蛇 (直使=休門)

などがソレであります。

質問にはお答えしませんけれど、ちと解説いたしましょう。

玉女守門は、玉の輿の方位。つまり冷静に事態を判断することができるために良い縁談を選択できるという方位。頭が明晰になるのですから勉強にも効果がございます。…の意味が拙著に記されていますです。
一方、朱雀投江格は、丁×癸でありまして、丁の英知が癸の水で消され頭脳の機能が鈍くなると記しておりますです。

頭が良くなるのか、バカになるのか、サッパリ分からないのであります。

じつは、この矛盾を十傳スクールでもハッキリと講義したことはございませんです。
「大象が吉なら玉女守門を取り、しかし朱雀投江の悪さも現れる」
程度のことは述べておりますです。

ますます頭が混乱する回答だったかも知れませんですね。

丁奇の良さは、力まかせに進むのではなく柔らかさで剛を押し包むような賢さなのであります。
お金持ちの男に対して、清楚な優しさと賢さで接するのでありますから、お金持ちの男は、
「おお! 本妻には最適だ」
と、その気になるのであります。

しかし、丁×癸の朱雀投江は、火が水に向かって進むという無謀さが失敗を呼ぶ意味があります。
現実的に申すなら、
「成り上がり者のくせに。世が世なら、お前のようなバカ男は我家の下僕以下なのさ」
と自惚れが出てしまう格なのであります。相手のわずかな欠点を素早く見付けて見下す態度。賢さがマイナスに現れるのであります。それが元凶となり結婚生活が不調になり、あるいは試験で言えば、成績が低迷してしまう原因になりますけれど。

要するに、
「賢さとやさしさで男に接するが、どこかしら、その男を見下げた態度がでる」
これが玉女守門と朱雀投江が同居したときの判断でございます。

すべて、こういうよーな解釈をしなければなりません。
鬼遁も人遁もすべてであります。
星門反吟なども、それぞれ、たとえば杜門×天輔星の伏吟も、隠された意味があって、その凶作用が現れるのでございます。

朱雀投江と、天盤地盤がさかさまの、癸×丁の螣蛇妖嬌格は、また別の解釈であります。拙著には「濡れ衣を着せられる」とありますが、その解釈はまた別。どーして濡れ衣を着せられるか。濡れ衣を着せられる態度になってしまう理由は何か。

ヒントは、枯れたバラ。老花にございます。
ご自分でお考えあそばせ。

これらは中等科の分野でしょうかねぇ。

奇門遁甲は、人間の成功パターンと、失敗パターンを、じつに、きめ細かく研究した集大成なのでございますです。

  1. なんだか難しいですね。
    奇門遁甲カレンダー活用させていただいてます。学生時代に出会えていたらよかったです。
    昨日,丁奇昇殿の方位で図書館に行って勉強しました。今日も自宅で勉強します。
    頭が悪いので,少しずつしか勉強が進まないのですが,効果が出ていると信じたいです。

      ●十傳より→頭が悪いと知ることは、頭が良くなる基本かもです。

  2. 小野先生質問をお許しください。

    偏角は考慮するべきなのでしょうか?

    先生の御著書の「京都から真っすぐ東に線を引くと大津京がある。正確には真東から十数度ズレているのは北極星の歳差運動によるもので794年にはピタリと真東だったという計算になる」
    との偏角に関する記述や
    日本海海戦では船の上だったことから磁石で方位を見たのではないかとの推測から
    偏角は考慮すべきなのではないかと考えております。

    偏角有無に影響ない方位を選ぶようにしておりますが
    どうしても影響がある方位を選ばないといけないときがあります。

    ●十傳より→本には書いてませんが、遷都当時から北極星のズレが14度ほどございます。また遁甲の仕上げは木星や火星などの実星の座相で測りますから、偏角は考えに入れたほうが、あとで混乱いたしませんです。

  3. 個人的な見解ですが、火星と金星はは人間の破壊欲求や闘争本能を倍加させます。1956/10/23に発生したハンガリー革命も火曜日、香港対中国本土の争いも2019/7月の最終火曜日に起きてたり。そんな日に吉方位を取り、裁判などの争いをしても火に油を注ぐのではないでしょうか?

      ●十傳より→曜日と実際の七惑星とは直接な関連はありませんが、そういう観察も面白いかもですね。

  4. あるかどうかわかりませんが、次の初等科の募集を待っています。待つ間に何かしとこうと、先生の本を読んでますが、読めば読むほど???。ヒントの老花を意識して、もう一度、先生の解説を読みました。
    丁は英知なら、英知の炎が強いから上空に雨雲が生じ、癸の雨が降り注ぐけど、英知の炎はそんなものでは消えないから、炎を弱めれば、少しは回避できるのかな。
    反対に、英知の光が降り注いでも、水の中にあれば届きにくいが、英知の光は降り注ぐので、水を少なくすれば、少しはよくなる可能性はあるのかな。
    結局、わからん!となり、基礎的なことから始めようと思いました。

    ●十傳より→若い花は愛されるけれど、老いた花は敬遠されるということでございます。つまり癸×丁は、水の方から火に向かうのでございます。同じ仕草をしても、やがては疎まれ、バカにされ、濡れ衣を着せられるという道筋。勉強を持続したいならば、そして成績を上げたいならば、下手な愛嬌など示さずに、淡々とした態度が必要だという意味なのであります。

  5. 先生、ありがとうございました。こんなにヒントをいただいたのに、わかるまでは時間がかかりそうです。何度も読み返して考えてみます。

      ●十傳より→十傳スクールへどーぞということになりますね。