2011
04.21

トンネルを抜けると真冬の風景がひろがっていたのであります。
越後湯沢のあたりのことでした。

私はモリオカへと向かっているのでありした。
震災の影響で東北新幹線はいまだ復旧していません。モリオカへ行く方法は高速バスか、新潟回り。
後者をえらんだのでございます。

東京駅から新幹線にて新潟。そこから羽越線にのりかえて秋田。そして秋田新幹線でモリオカに、というわけでございます。

新潟についたら、おお、12分後に秋田行きの「いなほ」が発車するというではありませんか。

新潟駅をでると、しばらくしてから海がひらけ、佐渡を遠望することができるのであります。

この佐渡は新潟だけでなく山形からも秋田の南のはずれのまで来ても見えるのでありました。

せっかく文庫本を持参したのですが景色が素晴らしすぎて本など読む気にもなれないのでありす。

が、景色もそうでしたが車内販売のネエさんが、これまたイイのです。
五木ビロユキの小説の「青春の門」だったら、
「ふとか!」
と、おもわずしがみつきたくなるネエさんなのでした。

したがいまして弁当を買ったのであります。さきほど弁当を食ったぱかりでしたが、ネエさんをじっくりと観察したかったのでありました。

メイクが下手なのがグッとくるのであります。

上野あたりでデートしたくなる気にさせられるネエさんでありました。
「あなだのごどホントに好ぎになっちゃうがも知れないわ」
なんて鴬谷あたりで言わせたくなるネエさんなのでありました。
そんなことを言いつつ、べつに男が二人ほどいるという小悪魔的なところもありそうなネエさんなのでありました。

秋田から1時間30分ほどでモリオカに到着したのでございます。

老母はまたひとまわり小さくしなびておりました。

  1. 無事モリオカヘたどり着いてよがったです。
    7月頃、新潟の佐渡へ行きたいです。東海道線とはちがった海ですね。
    本日、東北全線モリオカまで開通したみたいですが、旅も回り道すると芳醇な経験になりますね。
    松山ケンイチさんと小雪さんの結婚報道とてもうれしかったです!

    ●十傳より→遠回りの旅行というのは忘れていた快感です。

  2. あたしの母は、実年齢より若い見てくれ(お肌)をしていました。が、父が亡くなってから、日を追う毎に皺が増えていきました。毎日見ていてわかるくらいに細胞という細胞から水分が失われていきました。そうして、背も縮んでいきました。〈専業主婦の母の生きがいって何なの? 何が楽しくて生きているの?〉とそれまで疑問に感じていたあたしは、この時に漸く理解できました。母の生きがいは、父と暮らすことだったのだと。

      ●十傳より→それは素敵なお母さまでありましたね。