12.26
イブの夜に救急車で運ばれた男がございました。私メと同い年でございます。
そのまま息を引き取られたのでした。
知ったのは二日後の本日。
お金を払いに……でなくて、お悔みに行ってまいりました。
奥さんが…とはいっても60代です。
その奥さんが帰り際、玄関の外の百日紅の木のまえで、「久しぶりね。何年になる?」齢に似合わない青春の光をちらりと目に浮かべたのであります。
私メは、力を落とさぬよーにと、奥さんの肩に手を置きました。
「なっ、ちいちゃん」と愛称で語りかけました。
知っていた肩とは違い、肉厚になっておりました。
18歳以来なのであります。
「オノのよーな、いい加減な男に、ちいちゃんはやらない!」
これは彼女の二日前に他界された夫さんの18歳の若かりしお言葉。
熱愛にちいちゃんの心は熔けて結婚したのでした。たぶんですけど。
が、結婚後のちいちゃんの御乱行は、モリオカに帰るたびに耳にすることになるのでありました。
それでも愛の絆は強く別れることはございませんでした。
内情はともかくですが。
だって10年間の別居という説がございましたから。
で、なんということでありましょー。
ちいちゃんご夫婦は私メの家のご近所に引っ越してきたのであります。二人の子供も出来たよーであります。
その家の前の、大きな百日紅の木が毎年、夏になると赤べに色の花をつけるのであります。
とくに今夏は狂い咲き。夏の青空にみごとに映えておりました。
その家の半分を覆いつくす蔦も気になっておりました。
家相的には大凶。
で、イブにとつぜんにぶっ倒れ、そのままあい果てたのであります。
葬儀は29日。
ちいちゃんの誕生日でございます。
誕生日を知るのは私メの職業上の本能みたいなものですから。
ちいちゃんの命式は、十傳スクールの四柱推命卒論科のテキストに載せておりますです。
蔦は他の植物等に寄生することで養分を蓄え
寄生された側は、動植物問わず生力を失って行くものです
蔦の様な人は結存在します
でも「他人くたばれ我繁盛」の精神の人物の最後は美しくない物です
人生の中で、そんな人達の最後を何度も見届けて来ました
そんな私は、相手の「生」を吸い取るのではなく
どんな関係性の相手であっても
「活」を少しでも与えられる人物になりたいと思っています
それが人間であっても 犬・猫のペットであっても
過去に多くの過ちを起こしたからこそ
そう想えるのかもしれませね
若かりし頃の思い出は甘酸っぱいですね
駄菓子屋のアンズアメのように
●十傳より→良いことしか記憶しておりませんから。
ワハハハハ
すんげー家
今まで、無事だったのが、ふしぎ、、、、
●十傳より→無事ではなかったはず。