2024
09.25

ついに今年も、この時が来たよーであります。
カメ子が他人になる時です。

冬眠から覚めてから夏の間のカメ子はとてもフレンドリーであります。
私メの姿を認識すると、水槽の水を跳ねらかして近寄ってきたのであります。
それが餌をおねだりすることは承知していますが、それでも愛嬌があります。

ところが、急に涼しくなると、カメ子は冬眠の準備のために食事を一切取らなくなり、同時に、私メが近寄っただけで、頭を甲羅の中に隠すほどつれない態度を示すのでした。

同じよーな経験があります。
若い頃にオートバイを愛していたのですが、ある日を境に熱が冷めてしまったのです。
11月の寒い日でした。
甲州街道の交差点で信号待ちをしていた時、冷えた体をタンクに伏せ、両手をエンジンにおしあて、つかの間の暖を取っていたのですが、
「オレは何をしている」
そういう声が体内から聞こえました。
もう、お仕舞でした。
オートバイになんの興味も失ったのであります。

スキーも同様でした。
33歳の時であります。
夢中でスキーにトチ狂っていました。
というか、小学校からスポーツといえばスキー一本でした。
雪の便りが届くと、体中がムズムズして、気づくとスキー場に立ってするほどでありました。

それが、頂上から滑り降り、タバコを吸っていたのですが、ふと、
「何をしているのだ」
あの声が聞こえてきたのであります。

カメ子や、オートバイや、スキーの話をしているのではございません。
ずっと以前、サヨナラをして、駅へと向かう、あるお女性の後姿を見送っていた時に、不意に心を襲ってきた話をしたかったのであります。

  1. いつもならば
    11月初旬まで沢蟹が庭中はっておりました。
    しかし、今年は9月23日から一匹も見当たりません。
    台風16号が発生したので、
    大雨または洪水?
    心がざわつきます。
    生き物の勘は
    AIよりも優れてますから。

    ●十傳より→お仕舞いかもですね。