04.17
廃墟好きな私メの長年の夢が実現いたしまして、このたび長崎の端島…いわゆる軍艦島にいくことができたのであります。
軍艦島にいこうと予定を立てても、海が荒れて島に上陸できる確率は70パーセントとか。
上陸できてもほとんどは風が強く、10メートルの堤防を波が乗り越えて、見物どころではないということでありました。
が、なんと海はごらんとおり鏡のように鎮まっているのでございます。
伊王島から、船に乗ったのは20人ほどでありましょうか。
みな「これは奇跡です」などと語り合っていました。
しだいに近づく軍艦島の、戦艦「長門」のような異形にこころが震えるのであります。
世界遺産を狙っているらしく、上陸するためには誓約書を書かせられ、「真面目にするんだぞ」というような顔で係の人に睨まれたのでありました。
だいたい40分程度の船旅で、軍艦島に到着。
ちいさな島であります。
周囲は二キロほど。
ここに五千人も島民がいたそうであります。
セックスとか大変だったろうに…と、ついいつもの心配があたまを過ぎるのであります。
浮気とかどうしていたのだろうと。
どの世界にも愛慾はつきものであります。
いや、愛欲のために人間は戦いの人生を強いられているのでありましょう。
そういうドロドロした世界につよく惹かれながらも、その世界が滅んでしまった、このような廃墟に心を落ち着かせることができるのであります。
どちらも、同じことなのかもしれませんですね。
私メも、アマチュアカメラマンに混じって、廃墟を写したくらいにするのでありました。
他にすることもないのであります。
こういう場では、もうひたすら撮影していればいいのであります。
そして、島はすでに夏の気候。
暑いのでありました。
けれど、この海と廃墟につつまれていると、東京に戻りたいという気持ちになれません。
西海の旅行はまだ続くのであります。
軍艦島…懐かしいですねぇ、漫画の『男組』を思い出しました。
●十傳より→イタリアのポンペイの遺跡を彷彿させるところでありました。
なんてステキなところなんでしょう。
先生もやっぱりカッコいいです。腕の線にグラッとします。
●十傳より→素敵だけれど、その場所に立つと「ステキ」と素直に発することができなくなりますです。マタグラッとしますです。