10.25
メールボックスをスクロールして数年前の秋のヤツ。
「お元気ですか?」という一行メールを見たりしております。
更けゆく秋に夏の日を想い出すように、いまならお女性のつらさと勇気が分かることがあるのであります。
カフェで、運ばれてきた珈琲に角砂糖を落とし、香りを嗅ぐように、けれど何も話すことはなく、笑うでもなく、さりとてため息をつくわけでもなく、通りの車の流れを眺めながら、まだ珈琲に口をつけず黙り込んだ、それがとても大切な時間だったと後になって気づくのであります。
雨降りだったか…それはさだかには憶えてはおりませぬ。
トイレにたち、それから席に戻る細長い通路から、お女性の髪が、客がドアを開けた風になびいているのが見え、それは古い日記帳をパラパラとめくっているような調べで、つい胸を突かれたことが昨日のことではなかつたかと思ったりするのであります。
今日は新月。10月も末でございます。
「お元気ですか?」
ああ、元気ですよと、PCの画面に語りかけるのです。
あなたは元気ですか、と。
あれからどうしていましてたか、と。
「もう、おしまいよね、あたしたち」
「……。だろうね」
駅の人混みの構内でサヨナラしてから、私メは電車でまっすぐに帰り、いや、コンビニによってコロッケを買って、それを齧りながら、ばかめばかめと、ゆっくりと遠回りして帰ったのでございました。
「嫌いになっていい?」
「なってるさ、とっくに」
気まぐれには違いない過去のメールを消去せずに残しておくというのは、やはり男の習性なのか、それとも、自信が切れかけた時の「オレだってな」とビタミン剤代わりに使うためなのか、「お元気ですか?」を前にして「もうダメです」と答えたり「あの場所で」とその気になったり、秋の夜更けに初老は楽しんでいるのでございます。
先生は繊細な方ですね。
その女性も フッ と物悲しさを覚えたとき 先生に愛されていた過去を
切なく痛む心で懐かしんでいるかもしれませんね。
●十傳より→いやお女性は孤独になった時だけ瞬間的に思い出すものでございます。そして放屁とともに忘れるのでありましょう。
美しい文章でありますね
ところで遁甲の局数の質問です
今年の冬至の辺りなのですが
巻末の暦では
日盤の局数は12/19より陽遁
地盤の局数は12/24より陽遁が始まる
という解釈で宜しいでしょうか?
●十傳より→というように記されているはずですけど。地盤というのは時盤のことでありますですよね。また局数というのは陽遁という意味でありますですよね。
時盤です
スイマセン
12/19〜23が P-下となっており、まだ陰局なので
日盤と時盤では、陽局が始まりにズレがあるのかと思いまして
質問しました
マァ、微妙な時期は遁甲は用いませんが
●十傳より→そうは思っていても、微妙な時に使う必要が出てくるものであります。日盤と時盤は別物という意識が必要であります。
切ないですね。背骨がキューっとなるような、秋に相応しい言葉たちですね。
カフェではなく、喫茶店で、コーヒーを前に一編の小説を読んでいるようでした。
●十傳より→美しい言葉で過去を飾りたくなる季節でありますし。
出たー!
久々の隠し玉
日ごろスネたブログでも、先生にはこの世界がありますもんね。
シビレが気持ちいいです。
●十傳より→たまにはロマンチックになりませんとね。