2015
01.16

老母から、渋民の病院で寝たきりの伯母が危篤であるとの知らせを受けたのは1月15日のことでありました。
酸素吸入をしているとのこと。

当ブログに、いつぞやUPした、ボケた伯母であります。
看護婦に意識はないといわれたのに、老母と見舞ったならば、我々を認識し、名を、それは言葉というよりうめき声でありましたが、絞り出すようにしてたしかに老母の名を呼び、帰るなと意思表示をした、あの伯母のことであります。

以前にも危篤に陥ったことがありましたから、はたして死にきれるだろうかと首を傾げつつも占ったら、出たのが「巽為風」の六冲卦。

前回の第一期生の断易の講義でやった「老人の死期」の原則、五項目めの六冲卦。
これは助かりませぬ。

伯母でありますから用神は父母とするのが原則ですが、応爻に酉の官鬼。これに桃花殺と螣蛇が付していましたから、応爻用神といたしたのであります。
酉は肝臓と肺を意味し、いま酸素吸入を施されている伯母そのものと解釈したのでございます。

日晨は申。月建は丑。日月から生じられております。
「あれぇー、用神が旺じているから助かるはずではありませんか」
と、質問する人がいるかもしれませぬ。
「いやいや、危篤の病人が旺じていること自体が異常なのであーる。しかも大旺ではござらぬか。これは陰が陽、陽が陰にかわるように生から死の世界へ向かう直前なのであーる」
と私メはかたることになりましょう。

また質問されるかもしれませぬ。
「六冲卦は病が散じるから助かるのでは…」と。
「病が散じるのは近病であり、このケースは寝たきりの老人。すなわち久病。命が散じると解釈するのが正解であーる」

また五爻の巳の子孫爻は空亡し劫財がつき卦身でもありますです。子孫爻は官鬼爻を剋す、いわば病を治す神。これでは役に立ちませぬ。たとえ日晨と合をなして申日は子孫爻空亡を埋めているといえどもであります。
また応爻の元神たる妻財爻はふたつ出ており、そのひとつの四爻の未こそ月破になっておりますが、いまひとつの初爻の丑は月建を持っておりますゆえ、用神は大旺の極み。丑月を超えての生存はあり得ませぬ。丑は用神の酉の墓にあたってもおりますゆえ。

では、いつ死ぬか。
これは翌日の酉日。値日にあたり、さらに用神は旺じるからでございます。
六冲卦であり、冲は合を待つの原則から辰の刻と断じましたです。

本日酉日、夕方、老母から電話がございまして、
「むっちゃん死んだど」
「何時頃?」
「午前中らしい。九時頃だべか」
辰の刻は七時から九時。

断易は、このように鮮やかに結果を出してくれるのでございます。
それは不思議としか言いようがございませぬ。

  1. 伯母上様のことお悔やみ申し上げます。
    不謹慎ながらこの顛末、断易の不思議さと言いますか、なんともいえない感覚にニヤニヤしてしまいました・・・
    原則、例外、非常に奥深いものなのですね。

    ●十傳より→これくらいの判断は、一、二年で出来るものであります。