2014
05.24

郷里のモリオカからフキが送られてきたのであります。

荷を開けたら、郷里の匂いが広がりました。

老母が昨日「送るがら」と電話があり、「はぁ」と返事をいたしましたが、その匂いは裏庭の一面の青草に混じったフキの眺めを見たと思いましたです。

郷里のフキは、工夫などせずに、無造作に調理するのがいちばんでございましょう。
土を掘るときの草の根が切れる音まで聞こえてきそうであります。
初夏の日差しにぬくもった風が首筋を吹き抜けていくことでしょう。
虫の羽音も聞こえることでありましょう。

白米にフキをのせて素朴に食べるのでありました。

死んだ人たちの声まで聞こえるようでございます。
私メの名を呼んでいるような気もいたします。

こころもち今日は疲れているみたいであります。

あとすこし、あとすこしと仕事を頑張ってまいりましたが、そろそろへばり始め、逃亡の気持ちがたかまるばかり。

フキを食っても直りませぬが、直ったことにいたしますです。