2017
11.03

何故、こんな靴を買ったのであろーか。

旅先のアウトレッドで、目について、ほとんど反射的に購入したのでありました。

先日の、旅行の想い出の品は、これだけなのでありました。

10月23日の北東、壬×丁、他の条件も申し分のない干合鬼神の方位。
吉方位に絶対に行かせまいとする、何者かの種々の妨害をねじ伏せて台風の余波が荒れ狂う東京を後にしたのでありました。

肉体的にも精神的にも、説明のしようがないほどに疲弊していたわけでして、
「このままでは、ヤバイ」
と、有り金をひっ掴んで、とにかく北東を目指したのでありました。

効果は出ておりますです。
完全に復活であります。

が、効果は、ソレばかりではなく、旅の終わりに、モリオカで再会した初恋の女が導火線になっております。
初恋と記しましたが、62歳になる彼女と会話しているうちに、その甘い感傷をぶち破るほどの苛立だしい気持ちに襲われたのでございました。そのお女性のひと言ひと言が、とても小狡く、意地悪く、皮肉に満ちたものに受け止められたのでありました。私メの発言に、いちいち棘のある言葉で逆らい、せせら嗤うのでございます。

私メがそーさせたのか。そーさせる作用があったのか。

「干合鬼神の効果のキッカケだな、これは」
と直感しましたが、凍り付いた顔色を平静に保つのがやっとなのでありました。
センスのよい着こなしも、美食特有の福白でシワのないお顔も、優雅な身ごなしも、すべて邪蛇の化身に見えたのでありました。この人に心を奪われた一時期があったのか…。

「ならば、さらに発展するしかあるまい!」
方位効果の究極はコレでございます。浴びせられた毒を笑顔で飲みこむ忍耐は、これは意志力では不可能であります。少なくても私メには。
毒を体内で熟成させるパワーが、このたびの方位効果だったのだと確信いたしましたです。

吉方位といえど、けっして楽しいことばかりではございませぬ。
おのれの気質を方位によって変化させ、変化した気質を利用して開運することが方位効果なのであります。

傷ついた古い子供の靴。
幼稚さの残る自分と、古びよーと傷つこうとも前進するしかない自分。
この象徴として、旅行の記念の靴は、ながく自室に飾られることでありましょう。