2021
10.20

あれから…、あれからと申しますのは、先日、サンマーメンのお話をUPしてからでございます。
二年ほど閉まっていた、定食屋が再開したのですが、そこは以前の店名のまま、別の料理を出す店として復活しました。
以前の、みどり(勝手に名付けた)という女将のこしらえるサンマーメンがとても美味く、
「もはや食うことは出来ないのか」
あきらめきれずに、ほうぼうのサンマーメンを食い漁ったのでありました。

そのたびに、
「…ちがう」
落胆の連続でございました。

が、違うのは私メであり、食い漁ったサンマーメンこそが、本来のホンモノのサンマーメンだと、本日、悟った次第でございます。

ホンモノのサンマーメンも極上のお味であることは、ここで宣言しないといけませんですね。

しかし、求めていたものは偽物のサンマーメンでありますから、
「モノにしておけば良かったのか…!」
みどりと通じておれば、いつだって食えたはずという意味でありますです。

本日、ホンモノのサンマーメンをすすりながら、
「卵を散らしていない!」
そのことに気づいたのでありました。

湘南から消えたラーメンに、『城門ラーメン』がございます。
城門ラーメンを、簡単に申しますと、とろみの付いたモヤシラーメンに卵が散らしてあり、生姜を効かせたものでして、汁の底に残る挽肉を最後まで味わう喜びに酔うものであります。

みどりのこしらえたサンマーメンは、城門ラーメンから生姜を差し引いたものだと思い当たったのでありました。

偽物にこそ愛着を覚えてしまう不幸は、恋愛にも相通じるところがございます。
フシダラなお女性に恋してしまい、似たよーなお嬢様と付き合い、周囲に羨望されつつも、
「違うんだよなぁ」
物足りなさに、いまひとつ心が燃え上がらない、あの状態でございます。
そーなってしまうと、どちらがホンモノなのか分からなくなりますですが。

滅びてしまった城門ラーメンを求める旅が始まりそーであります。