10.19
画像の左端上段の、一人虚空を眺めている少女は、私の母の母。つまり祖母でございますです。
彼女は母たち三人の子供を産んだのですが、若くして夫に先立たれましてございます。
戦後、まもなく男を家に住まわせ、娘たち三人との奇妙な同棲生活を始めたのでございました。
私がモノ心着いたころには、すでに男はその家に定着し、私も「大矢さん」と苗字で呼ぶようになっていたのでごさいます。
世間からはやはり白い目で見られていたようでありますが、祖母は平気な感じでございました。
突然に、私が訪ねたことがあり、祖母の家ということでずかずかと家に上がると、気持ちのの裾をあわてて直した祖母が、少し怒ったように顔をして出てきたものであります。奥で大矢さんがニヤニヤ顔。
Hで隠微な雰囲気が部屋に残っておりました。
「やってたな?」
なんて思いましたが、だからといって別にどうという気もしませんでした。
現在のモラルから見れば、問題なのかもしれません。
娘たちや孫の心を傷つける関係だと批難されるかもしれません。
しかし、実際はそうでもないようであります。
いまは大矢さんの命日には、喪主として母と叔母たちを呼んでおり、「まあまあ、まだ51歳で亡くなったのねぇ」などと墓に刻まれた没歳を眺めては懐かしんでいるのであります。
モラルに毒された我々は、なにかあると「傷ついた」とか「トラウマになった」と大騒ぎしますが、ほんとうに傷ついているのでありましょうか。
どうも心理学の影響というか、世に心理カウンセラーの立場を高めるための企みもなきにしもあらずの現象ではないかとも思えるのであります。
昨日、会員ブログで「既製品の恋」について論じました。
恋愛さえ、画一化されているような気がしてならないのであります。
不倫が悪だとかそういうモノの見方ではなく、べつの視点から恋を見つめてもいいのではないかと思うのであります。
長くなりましてので、続きは十傳クラブブログに引き継ぎますです。