2012
08.15

まえに、墓場の跡地に家を建てるのは凶とされている理由を述べたことがございます。
地盤が弱いことを理由に挙げたことでありました。

画像をご覧くださいまし。
モリオカと花巻の間に石鳥谷という遊女たちがいた場所がございます。
そこは、いまなお、お尻の軽いお女性が多いと陰で噂されておりますです。

それはともかくとして、石鳥谷の山のおくに墓地がございまして、このたび、お盆の墓参りのために赴いたのでありました。

墓石の後方にある空間が、埋葬のスポットなのであります。
死者が出るたびに、このスポットの土を掘り返してお骨を埋めるのであります。
代々そうやっておりました。
火葬が定着する前は、棺桶ごと埋めていたようであります。
それが、大雨のときに、むかしの棺桶が朽ちて崩落し、ためにぽっかりと穴があいたようになったのであります。

「叔母さんの遺骨が盗まれた!」
と埋葬して一週間目に、大騒ぎとなったのでありました。
ひそかに付き合っていた恋人がいたのではないか。
その男が骨を盗み去ったのではないか。
などとロマンチックな想像が、まことしやかものとしてみんなの心に浮かんだのでありました。

が、よくよく穴をのぞいたら、深い土の底で、古い棺桶のなかに、叔母の白い骨がのぞいていたのでありました。
「ああ、ご先祖様の膝に抱きかかえられて、はぁ、叔母さんもしあわせなんだはんだ」
と、ロマンチックな想像は、恋から、家族愛にスライドしたのでございます。

しかし、久しぶりに墓参りしたしましたら、土葬の名残りをとどめた墓は、少なくなっており、普通の一般的な墓にかわっていたのでございます。

いくつかの迷信のような言い伝えがございますが、「墓場の跡に家を建てるのは凶」は、このような理由からであります。

「庭木に大木は凶」もやはり根拠がございます。
住むものの魂を抜かれるなどと、オバちゃん占い師は申しますが、これは嘘であります。
木の根っこが問題なのであります。
大きな木は根っこを張り巡らすために、家の土台が傾く。これが凶とされる理由でありますです。

なにごとも疑ってかかったほうが、面白い実相に気づいたりするものでございますです。