2016
01.02
01.02
その通りの向こうに、巨大な岩がそびえているのが画像でもお分かりかと思いますです。
烏帽子岩であります。
ところが、海で烏帽子岩を眺めますと、小指の先ほどの大きさ。
つまり烏帽子岩は、近づくほど小さく見え、遠ざかるほど大きく見える、茅ヶ崎の七不思議の一つなのであります。
逢わないでいるほどに切なく愛おしく感じられるお女性といったところでしょうか。
過去になると存在感をまして、「彼女はイイ女だったよね」と退職したあとに人々の口々にのるお女性みたいでもあります。
あるいは不安にも似ております。
実際には、恐れるに足りないことなのに、妄想がたかまって怯えてしまう状態。
ほらね、あの巨大な岩は遠くにちいさく見えるだけでありましょう。
「ふーむ」
と腕を組んでしまったのは、そろそろ断易全集を、自分の手で作成しようかと、元日の午後にリアルに考えたからでございます。
「出版社をアテにしてはいられない」
という情勢も原因しておりましょう。
年末に某出版社からは著者宛てに、原稿料の値下げ通知が届いておったのでありました。
ーー遠ざかれば大きくなり、近づくと小さくなるーー
自分で断易全集を作成しようと決断するには、どこが鍵になったのかわかりませぬ。
けれど、七不思議を眺めて思いついたのは事実であります。
本として残していれば、私メが逝去してもあとが続く期待も湧こうというもの。
2016年の、ひとつの計画が出来たのでありました。