10.10
おバカな人生ではないかと思っておりました。
この歳になってもバイトの続きをしている感じでございますです。
が、17歳の時、「進路決定」とかを学校側から迫られ、それは誰しもあったことではないかと存じますです。
これに対して、テキトーに答えるのが正解なのでありましょう。
んだって、世間知らずの教員に大真面目で対しても愚かでこざいましょうから。
しかし、ちと事件をおかしたばかりでしたから、私メにとって重たい問題でございました。
で、
「誰にも使われず、誰をも使わない人生を歩むのだ」
なんてピントがずれた大上段で、わら半紙の記入用紙に書いたのでありました。
その、つまらない一文が、これまでの人生を支配していたよーな気がいたします。
国家資格もない、無頼な職業は易者しかなかったのであります。
ホントだろうか…。
自由業と小説家が偉そうに胸をそらしてもペンクラブに所属しております。弁護士も医者も同様でございましょう。
銀座ジプシーの事務所に所属したことがございましたが、もうコリゴリであります。
誰にも使われず、どこにも所属しない。
自分の居場所を自分で決め、自分の全時間を自分で使うことは、しかしなかなかあるものではございませぬ。
仕事とお女性以外は動かないと決め、それを実行していますが、けっこう、俺もなかなかヤルではないかと、ちと自負いたしております。
もはや、やり直しの効かない年齢に達し、これで良かったのかと淋しく思い、これで良かったのだ。いやコレしかなかったではないかと過去を振り向くのでございます。別の人生を歩んでも、結局は、ココに行きついたことでございましょう。
占いは、いくらでも手を抜くことが可能であります。
周囲におもねた鑑定をしてエヘンと威張りくさることも簡単でございます。
バカの二分の一だと分かっておりますが、みんなが手を抜くならば、手を抜かない占いで勝負してみようと思ったのはいつの日だったのか。
師匠もみんな死に果て、残された資料を、朝から寝るまでコツコツと眺めている日々は、最期の時まで続くよーであります。
人間は踏み出した一歩から始まりますです。
17歳が、その一歩だったのかも知れませんです。