2016
12.16

雪道を運転すると、魂にいまだ狼が棲息していることに気づかされますです。

若い頃のように他県ナンバーを煽って路肩に突き落とすことは致しませんけれど、それに近い凶暴さがむくむくと蘇るのでございますです。

これも寒さを求める火炎土燥の命の持ち主で、いきなり寒さを迎えると、地面が割れるという人格破綻の作用に出てしまうからかも知れず、つまり私メが悪いのではなく、私メの命式が元凶しているのでございます。

「70キロ出てるよ」と隣で老母。
さらにグイッとアクセルを踏む私メ。

が、若い頃と異なるのは、オスとしての目覚めだけであり、他の凶暴さではございませんです。
木炭の匂いに似たヒーターのせいかもしれませぬ。
不思議に、雪に覆われたり、外気が低くなると、ヒーターの匂いが変わるのでございます。
まるでお女性の体臭が、性欲に感応すると、その匂いが変化するのと同じよーに。

市内は除雪されて、その狼っぽい欲望がやや収まるのでございます。

冬山の遭難者が、発狂すると素っ裸になって吹雪の中に飛び出すそーでありますが、もしかすると…いやきっと私メもそーなることでありましょう。

ふたたび人格者に戻るのでありました。

命式のことばかり考えておりますから、人格者とは申しましても、一般の賢者とは根本的に違いますですけれど。

とにかく実家の自室に隠してある、いにしえのヌード集、たとえば坂上香織でも眺めることになると思い、そしてその通りにするのでありました。