2020
02.22

ハイエンはハイエンでも、私メは実家の廃園のなかで途方に暮れておりますです。

つい数か月前の実家は失われ、柱だけの雨月物語状態なのであります。
カタチばかりの友情、仮面夫婦、言葉だけの恋愛などなど、実体が伴わない関係は世間に無数に存在いたします。

いえいえ、ジャズを演奏する日本人や、口に薔薇の花を加えてフラメンコを踊る日本人。テーブルの上でワインを指にはさんで揺らす日本人。これらも我に返ると廃園なのであります。
明治時代の西洋かぶれから一歩も成長していないかもですね。
「ショスー、オショス―!」
海外の文化を断りもなくなんでもかんでも手あたり次第に猿マネすることに罪悪感を覚えないばかりか、拍手をもって賞讃するヘンな人種でございます。

「海外では、こう報じられております」
などと周囲の目にどー映るかばかりに過敏になり、つねにオドオド。あるいは反対に必要以上に胸をそびらかし…。

北東北に自主的な隔離しておりますと、日本のいままでの繁栄がすべて虚しい恥だらけのニセモノに見えてくるのでございます。

「庭も一からやり直しだな…」

二月なのに雪は降らず、
「こんな暖冬に家を建てるのはツイてますね。シーズンも雪は積らなかったですし」
と工務店のお方。
「もう、データはアテに出来ませんよ。やはり占ったんですか?」

しかし、二月の雨は切ないものであります。

「みんなと一緒が楽しい」
の言葉が、まかり通っていた、かつての常識。その常識とは関係のなかった孤独派のお方たちにとって、今回の肺炎は、
「ザマミロ」
であることでありましょー。

冬の雨を眺めつつ、古い本を読んでおります。
冷凍庫の、これまた古い食物を食うことになりそーであります。