2024
02.24

いぜんから「結界」に対して首を傾げておりました。

ずいぶん昔のことになりますが、ストーカーに悩まされていたことがあり、事務所に結界を張り、それをストーカー除けにしました。

効果はゼロ。

ストーカー嬢は、事務所にスタスタと入り込み、
「なにコレ」
と言わんばかりに、忌み縄も、魔法陣も難なく破ったのであります。

恥ずかしながら、結界の意味が本日の酒蔵見学ではじめて解けました。

モリオカから北に50キロほどに、鷲の尾酒造の酒蔵があり、この連休中に希望者は酒蔵見学することが出来るのであります。
直前に無理に予約し、許可を得ました。
白衣に着替えさせられ、頭には白い帽子。

酒蔵の入り口でレクチャーを受け、さーて、重い引き戸から中に。
つーんとイイ香りがいたします。

そこに神棚がありました。

「どーして神棚がここにあるか分かりますか?」
一同シーン。

「それはここから結界が張られているからなのです」
担当者の説明によると、日々、作業員が、ここで酒づくりをするわけですが、それぞれ夫婦喧嘩をしたり、あるいは面白くないことがあったりで気持ちが乱れているかもしれない。心が乱れていては、出来る酒に悪い影響を与える。
そこで、この神棚の前で、気持ちを一定にさせる。それが結界である、と。

「そーだったのか」
そーか、それならば結界の意味が分かる。

言われて目が開きましたです。

あとは説明に耳を傾けるばかりでした。
試飲でもさせてもらうのかと思っていたら、大きな間違い。
酒造りの秘訣みたいなことでした。

酵母菌だの、米の割合だの、山廃仕込みと、他の仕込みの違いだの。

秋の酒と、冬の酒の違いなども。

よそでは教わらない秘伝の講義のよーでありました。

高いお酒だから美味しいとは限らないひとしか頭に残りませんでしたが、充実したひと時なのでありました。

私メはクルマでしたから、そのあとの試飲はできず、無料の甘酒とお蕎麦をご馳走になり、しかしされでは申し訳ないので、各種の秘酒をたくさん買い込み帰宅したのでございます。

これから、それらを味わうことに致します。