2013
02.01

荒川をこえた、とある街に招かれたのであります。
「美味しいB級グルメがあるから」と。

そこが中国人のやっている店ということは、あえて伏せておいたのでありましょう。
「ち」の音を聞いただけで罵詈雑言を吐き散らす私メの性格をしってのことでございましょう。

しかし、それも私メが私メであろうとする悲しいポーズでないともいえませぬ。
「焼きシュウマイが美味いんです」
とのことでした。

店内は中国人の店らしく、雑然と小汚いのでありました。
およそ15人は入れますまい。

ニコニコ母ちゃんに「カウンターならあるよ」
といわれ、なんとか奥にのカウンターに。

店の名物の焼きシュウマイであります。
酢醤油をつけようとしたら
「なにもつけないでたべるアルよ」
とニコニコ母ちゃん。

「いいのか、ああ言っているけど、なにも付けないよ」
「いいんです。たべてください」
「カブッとかじっていいのか。それともやさしく舐めまわすようにした方がイイ?」
シュウマイに息を吹きかけながら問いかけました。

「痛くしていいの」
と聞こえましたから、前歯を肉に食いこませ、プツンと引き裂いたのであります。
「あああっ」
とシュウマイは身もだえると、残りの肉もみずら、私メの舌にプルプルと任せたのでございます。

お味は…。
店内はいつしか女子会が始まり10人ほどの美醜の中年お女子が、ニコニコ母さんの出したものを「おいしいー!」などと騒いでおりましたが、正直、騒ぐほどのお味ではございません。不味くはけっしてありませんが。
中国人だからと差別しているのではなく、正直な舌の感想であります。

ひとつだけ評価できるのは、目の前で、孔子の子孫とかいう大うそつきの料理人が調理しているところであります。
痰やフケは入れてはおりませんでした。
もっとも、開店前の下ごしらえで「カァッ、ペッ」と「日本人はこれがお似合いアルネ」とやっているには違いはないであろう、と見たのでありますが。

久しぶりの中華料理でか、帰りの駅では、ピピークタクタ…と藻屑現象に見まわれるのでありました。