2015
08.18

奇門遁甲の甲尊の吉格は青竜返首だけであります。
甲×丙の配合で、象意は、朝日が昇るように力強く次第に勢力を増す、とあります。
「求官」でして、信用を司ますです。
これらは拙著、「奇門遁甲術入門」に記されております。

ところが、はたして「信用」が出世などの求官に役立つかは、実際面ではなはだ疑問なのでございます。
甲尊の信用は、心からの信用なのでございます。相手を無条件で肯定するところに甲尊の信用の意味がございます。
つまり、上司にひたすら尽し、可愛がられて出世する。これが青竜返首の意味であることをシカと意識しなければなりませぬ。

が、信じる者は裏切られるのが、この世の無常であることも事実。
利用されて捨てられることは例をあげなくてもお分かりでありましょう。

出世にとどまらず、濁情も然り。
この世で成功するためには、ずる賢さが条件なのでございます。

であれば、青竜返首は使い物にならぬ吉格と申せましょう。

しかし、使い物にならぬのに奇門遁甲を学ぶとき、まっさきに登場するのが青竜返首。
なにしろ、作盤では地盤の甲に着目し、それを地盤の、その年、月、日、時間の干の上に置いて天盤とするわけであります。さらに詳しく述べるならば、丙年、丙月、丙日、丙時でなければ青竜返首は成立しないのでございます。

お手元に「奇門遁甲入門」がございましたら、丙寅、丙子、丙戌、丙申、丙午、丙辰のページにのみ青竜返首があることに気付くことでございましょう。
さらに巻末の暦を開いていただきましょう。
月盤は丙の月をもって局数が変わることを発見するはずであります。
たとえば2015年10月の丙戌の月をもって陰九局から陰八局に変わり、2016年8月の丙申月をもって陰七局に変わるのでございます。
甲が十干の最初の干ならば、丙は局数の先陣をきる干と申せますです。

これらは十傳スクールにて講義しておりますが、それほどの吉格である青竜返首が役に立たず、効果が出ない方位ならば、奇門遁甲は基礎から崩壊するのでございます。

十傳スクールでも「信用など捨ててしまえ、この世で成功したいならば、無用なヤツを切り捨てる無情さこそ大事である」なんてことを語っておりますが、しかし、やはり青竜返首は、素晴らしい吉格であることがやがてお分かりになるのでございます。

四柱推命の命式を補強するために使用するだけではありませぬ。
まぁ、詳しい事は秘密なのでありますが、そのいっけん素晴らしいけれど無用の吉格こそが、使い方によって凄まじい威力を上げるのだということは申しておきますです。

バカの一つ覚えに青竜返首を用いたり、たまたま鬼遁とか玉女守門などの華々しい吉格の文字が目についたから、その吉格に飛びついてイイものかどーか。

八月は戦争反対とか高校野球とかで大賑わいでしたが、そろそろそれらも終息。
頭を占いの方面に切り替えましたら、そういうことをすこし語りたくなったのでございます。