08.21
入館料は大人310円。60歳以上は100円。
なのて百円のチケットを買いましたら、身分証明書の提示も求められず、そのままパス。
見た目で年と分かるのかと、軽い絶望を覚えつつ、地下へ。
昭和を匂わせる作りでして、目指すはイタリアのラーメン店の「カーザルカ」。
屈辱をしのんで行列に耐えること30分。
なんでも腹に優しいスープとアルデンテの麺が売り物とか。
教育テレビのイタリア語の番組で扱っていたのが動機なのでございました。
しかし、いざ食して見ましたら、30点!
「あんや濃すぎるえんちゃ」とスープにお湯を注いだかのような感じでありまして、麺はモギモギと、そのスープに馴染まないのであります。
かろうじてオリーブオイルで炒めたニンニクがイタリアの雰囲気をむりくり出しているのでございます。
しかも調理場にいるのは日本人の奴隷。ルカさんはご不在。
集団催眠に弱い日本人でも二度とは足を運びますまい、というところであります。
一考どころか万考しなければなりませんでしょう。
ミルク仕立てにしたヌードルでフォークで食うという感じにすればイイとは思うのですが、イタリア本国では、東洋のお味を楽しませたいのでしょうから、これ以上の期待はできますまい。
満席の店内で「うまーい!」の歓声はひとつとして聞けないのでありました。
しばらくしましたら藻屑現象を覚えましたが、グッと我慢し、館内のモニュメントを一回りして帰宅の途についたのでございました。
ラーメン自体はたいしたことはありませんが、ふと店主のルカさんの人生を妄想したのでありました。
妄想ですから正しくはないはずであります。
けれど、やはり日本にわたってきたことは本国ではダメな男だったからでしょう。親父からは「お前は最低なところまで堕ちたのだ。せいぜい東のはずれの国に行くしかあるまい」と絶望されていたことでしょう。
が、運とはどこでどー変わるか分からないもの。
日本で食ったラーメンに「!」を感じたのでありましょう。
そして、ヒトカドの男となったわけでありますから、こちらの人生は評価に値いたします。
人はどこで運を拾うのか分からないものだなぁ、と戸塚で途中下車しキレイなトイレで藻屑を心ゆくまで放つのでありました。