2018
10.25

木曜日のパーキングは空いております。

ショッピングにはイイ日であります。

それともパーキングで落ち合い、ショッピングモールでサラダとか軽食を買い、一台のクルマに乗って罪深いおデートを楽しんでもイイかもですね。

…という過去もあったなぁと、ご亭主のパンツを選ぶのも風情がございます。

音もなくクルマがすべり込み、キュルキュルとタイヤを鳴らして定位置に停止するのを見ていると、心が鎮まりますです。

ほんの数人しか知らないことでありますが、私にはむかしから不思議な持病があり、ときおり、それが発作するのであります。
「きっと、これで死ぬのだろうな」
パーキングで微妙な前触れがございましたから、すこし休んでいたのであります。

病院で調べても、
「どこにも異常は見られません」
ですから、これはたとえば、クルマのエンジンの音が、「ちょっと変だな」ぐらいの程度でありまして、「季節の変化なのだ」と納得するほかございませぬ。

聴覚が戻りましたから、「さて」とドアを開けました。
秋の木曜日の匂いが充満しておりました。
無人のパーキングはショッピングモールで買い物をするための、いわば「使う時に使わないで、使わない時に使うモノ」のなぞなぞの答えの一つでありましょうか。

「木曜日は人の心がよく見える」
男もお女性も、老いた者も若人も、心を濁った吐息にして見せておりますです。
笑っている者も、怒っている者も、泣いている者も、ショゲている者も、澄ましている者も、ああ、動物なのだなぁと、感心するのでありました。

ちょっと派手なシャツを買ってしまいました。
「あーぁ、まるでエロ爺だな、これは」
丸めて部屋の隅に放り投げました。