2020
05.13

探し物をしていたら意外なところから、古ぼけた携帯電話が出てきたのでした。

電源をとおしたら、
「ウォォォォ!」

オショシイ履歴が目に飛び込んできたのでありました。
お女性たちとのやり取りが、
「こんな歯の浮いた言葉でやり取りしていたのか」

月日は分かりますが、年代が抜けていますから、正確な年齢を思い出すことは困難であります。

が、相談者で浮気がバレて大問題に発展する元凶が、この使い終わった携帯電話であることがほとんど。
子供に貸し与える前に、うっかりメールや写メを削除し忘れていることもよくあるパターンでございます。

携帯電話は眠っているだけ。コードを電源に差し込むと目を覚ます恐ろしい物体に変わるのでございます。

ところが、消すことが正解なのでありますが、これがもったいなくなるのであります。

恋の初めから終わりまでが克明に分かるのでございますもの。
「この時点で、相手は怒り始めていたのか」
とか。

いかに自分が身勝手であるかが、手に取るよーに分かるのであります。
お女性は笑っていても、怒りをクグッと押し殺していたわけで、その怒りが蓄積し、堤防を越えて反乱してから、自分とお女性の立場が一転するという同じケース。あとは防戦のみ。

それも同時多発するところに、私メの品性下劣さが現れているのでありまして、それがそのまま断易にも臭い現れているのでございましょーか。

無責任に楽しみ、無責任に別れるという、恋の理想型式の、いかに困難であるかが、この冬眠している携帯電話に教えられるのでありました。

山梨から東京まで、新型肺炎の陽性のお女性が、バスを使い、男に逢いに行ったことが、タイヘンなこととして罵倒されておりますが、
「許してやれ、それくらい。むしろいい話じゃないか」
目くじらを立ててヒステリックな世情でございます。

ついこの間まで、たとえ世界中を敵に回しても愛を優先するという、主題歌をうたっていたではありませぬか。

また、携帯電話を開いた私メは、とてもとても、そーいうことで非難できる人格ではないことを痛感するのでございました。