2020
12.13

喰いかけてから、
「しまった撮影を忘れた」
なので、形がくずれてしまっていますです。

ソイという魚であります。
魚屋に一尾だけ売れ残っていました。

考えた末に、煮魚に。

でも、この魚はシャブシャブにして絶品なのであります。
「刺身用」
として売っているヤツを、刺身ではなくしゃぶしゃぶに。

むかし、三陸で夜釣りをしたときに、とおりかがった爺さんに教えられました。

炭で汚れた顔のお女性が、温泉の湯につかったところ、見違えるほどの美女があらわれたという感じでありましょーか。
刺身でも美味しいのですが、やや淡白。

それが熱湯にくぐすことによって、舌ぜんたいの粒々が痺れるように美味が口内に広がるのであります。
それは快楽を知らぬまま育児にいそしむお女性が、別の男によって悦楽の禁断に身を悶えさせてしまうかのよう。
のどの奥から咆哮するかのようなうなり声を上げつつ、ベッドをのたうつ姿は、まさに天獄の仏の化身。

まさに、その禁断の美味がソイのしゃぶしゃぶなのであります。

煮魚にしてしまうのが残念でしたが、鮮度のもんだいで、しゃぶしゃぶを断念した次第でございます。

料理の仕方で、生きてくるものはソイだけではございません。

断易の神蓍も同様。
使い手によっては、鮮やかな卦を導いてくれるのであります。
解釈に難儀する卦ではなく、一目瞭然の卦をだして快刀乱麻のごとく占的を解いてしまうわけであります。

もっとも料理の仕方が……つまり、卦の読み方が不十分ではどんな卦でも間違った解釈をしてしまうことになりますけれど。

十傳スクールの断易の講義を、ふりかえるとかなりの秘伝を分かりやすく公開していることに、我ながら驚いています。
講義自体が初期のころから比べると格段に向上しておるのであります。