2021
11.10
11.10
野外演芸会に誘ってくれた老人の一人が倒れたとかの連絡がありました。
仕事もひと段落したところでしたので、
「お見舞いにいくか」
クルマを出したのであります。
もちろん面会はダメでありました。
けれど、道中の景色が素晴らしいのであります。
老人の病態などどーでもよかったのかもしれません。
「死んでほしくない人の命はない」
さいきん、そー思えてしまうよーになっているのです。
ただ、北海道のウニの大量死はダメだ…と。
細木も死んだよーで、
「死ぬまで騙しきってホッとしているだろー」
心はまったく動じませんです。
そんなことを考えつつ、11月の乾いた大気の中を突っ走ったのであります。
風が強い日でして木々の枝が大きく揺れては、枯葉を巻き上げているのでありました。
老いるにしたがって周囲の死を多く見て、悲しみとかいう感情が鈍感になっておるのです。
戦場も同じよーだったのか。
まだ戦争を体験していないところが、どこかオショシイのであります。一人前でないまま老体に向かっているのがやるせないのであります。
愛する力があるよーに、人には人を傷つける力もあるのであります。
入院した老人の病状が、あまり芳しくないと聞いたのは、帰宅して、しばらくしてからでありました。
だのに「ええっー」とか驚いたふりをしながら、さっぱり心配していないのであります。