2023
10.19

こんかいのモリオカは草取りメインと相成りました。

夏の激暑のため、草刈りは命がけでございました。
9月に亡くなった叔母は、癌を得ていましたが、直接の死の原因は熱中症。真夏に草取りをしていたためであると聞いております。

でありますから、庭は草茫々。庭ではなく荒野でありました。
朝から陽が陰るまで黙々と、憑りつかれたよーに草取り。

秋の草取りは、それでも気が楽であります。
夏だと、取った先から新たな雑草が芽を出すのですが、秋は大丈夫。春までは、このままの状態で、枯葉を掃く程度で済むからでございます。

そして、
「もう駄目だぁ」
ダウン寸前の体をソファーに横たえて、窓越しに秋の青空を仰ぐのでございます。
雲は、西から東へと意外な速度で流れます。

ふたたび、軍手をはめ、背中に二本の鎌をはさみ、唇には歌。
オショシイくらいに古い歌。♫キミの行く道は♫であります。
♫キミは行くのか、そんなにしてまで♫
♫キミのあの人はいまはもういない♫
うるさい、うるさい、と思いつつも、このお節介ソングが口をついで出てくるのであります。

夜はウィスキーの琥珀のグラスを片手に、うたた寝。
寝なければ。
歯を磨く鏡には、疲れ果てた老人のアホ面が映し出されるばかりでありました。