2024
07.30

モリオカでの一週間は連日の雨。
ためにロクなものを胃袋に納めておりません。

目を閉じると江戸の寿司。

言っておきますが、モリオカのお寿司は全滅でございます。
まず、米が大きすぎ。

そして職人が未熟なお方が多すぎること。

また老母が流刑地にながされるまえのことですが、たまに寿司屋のカウンターに座ることがございました。
うめぇ寿司が食いたいというからであります。

が、職人がネタを掌にして米を握るのですが、老母は、
「そったに時間かけでだら寿司がぬるぐなるぅぁ」
そして、置いた寿司がコロンと倒れるのであります。
「はい、やり直しぃ」
かつて小学校教諭をしていた態度が顔をだすのであります。

いつだったか上京した老母を神田の寿司屋に誘った時は、若手の職人が塩を目の高さから器用に振りかけるのをみて、
「合格!」
などと評したのでありました。
気を良くしたその職人は極上のネタを炙ったり、飾り包丁で美しく切り込みをいれた寿司を提供し、老母は「美味い美味い」とパクついておりました。

たしかに江戸の寿司はたいしたものでございます。むろん例外も多々ございますが。

そーいえば妹が、老母を回転寿司に連れて行ったといいましたから、「どーだった?」と尋ねたところ、「何も言わねんで黙って食べてらっけ」
不味かったのだなと思いました。

老母は料理は下手ですが、味覚は立派なのであります。

流刑地で、寿司の話題になっりまして、「うめぇ寿司食いてな」と申しておりました。
「モリョーガの寿司はダメだけどなぁ」
「んだった、んだった」

関東に戻りましたので、江戸の寿司を喰って栄養補給をせねばなりません。

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