2013
01.11

かつては栄えた店でありました。
モリオカでトンカツといえばむら八。洋食のむら八でありました。

ところが、いつしか傾きだして、いまではバイパス沿いと、駅ビルの二店舗だけ。

油モノに飢えているという老母を連れて、バイパス店に赴いたのでありました。

店内に入ると、どこかが違うのであります。
最後に入ったのが二年前でしたが、そのときと比べて店の雰囲気が和らいでいるのでございました。

私メはシャンボロースカツ定食1600円。
老母は、牡蠣フライ定食1350円。
三陸は山田の牡蠣だと店員さんが説明してくれたのであります。
牡蠣といえば広島や宮城が有名でありますが、そこを堂々と「山田の牡蠣です」と言い放つところににも、以前とはちがう高貴なモノを感じるのでありました。

「ああっ、腕を上げた!」
と、ひと口にした瞬間に、この言葉がほとばしったのであります。

手前のおゴゴも、こまかく刻まれて、良い香りが広がるのであります。
トンカツは、炭を和紙でくるんだものに余計な油をしみこませているのでありました。
金網を敷いていないところが「ほほぅ…」でございました。

キャベツと味噌汁をお代わりしましたのであります。

きっと、この店は復活することでありましょう。
以前の如く、トンカツといえばむら八という日も、遠いことではありますまい。
なぜなら、食った時間は13時を過ぎていましたのに、店には次から次へと客殿が入ってくるのでありますから。

夕食のぶんまで食ってしまいまして、老母と無言のまま帰宅するのでありました。