01.06
正月も六日目となると、人々はふたたび濁情に悩むようであります。
「彼と連絡がつかない」
「別れた方がいいのでしょうか」
「もう死にたいです」
という感情がせきを切るのであります。
「オタクはもう40過ぎなんだから、年相応に落ち着きましょう」
てなセリフを発しようものなら、攻撃対象は私メに向けられるので、この言葉は禁句とせねばなりません。
が、悩みというものは、その種子は自分の内部にまかれているものであります。
「こういう場合なら、自分は浮気をするだろう」という種がある以上、相手を疑うことになるのであります。
それを防ぐ手立てはありませぬが、年相応というプライドが、唯一の、トラブルの防止策なのではありますまいか。
「10歳以上も年上だと安心していたのに、あなたから年のことをいわれるなんて心外だわ」
と叱られたことがございますです。
「わたしは魂の年齢で数えているの」
とワケの分からない理屈をこねたと思うと、キキキッ! とヒステリー症状を起こし、
「ジジイのくせに、何を学んできたの。学習ってないのね。相変わらず!」
こうなっては、終わりであります。
内心、ニヤニヤして、言わせるだけ言わせるしかありませぬ。
が、やはり年相応という落ち着きは、お女性を魅力的にさせる心のメイクだと、私メは譲ることはできないのであります。
おみくじ代わりにガチャポンをやったら、ヤモリが出てきまして、それをブローチに加工いたしました。
そう言えば、
「キミとオレはトカゲのしっぽのようだね」
と言ったことがありました。
腐れ縁の意味の皮肉だったのですが、これがけっこう気にいったらしく、
「黒トカゲの相性かな」
とご満悦。
2013年のお女性に言いたいのであります。
どーか、感情で自分を見失わずにいてくだされ。
バレンタインの準備は、年相応という心のメイクから始めてくださいまし。
「もう、30だろう」「アラフォーなんだから」「50歳越えたらば女じゃないよ」などの数々の言葉の暴力に対して、「それがどうしました?」と悠然とかまえて欲しいのでありますです。
これだけで悩みの半分は消えることでありましょう。