2013
01.25
01.25
ワカサギの天ぷらにチャレンジいたしましたのは、ワカサギの季節だからだけではありませぬ。
「ワカサギ釣りって楽しいんだよ」
という、あるお女性の言葉を思いだしたからであります。
飲み友達であるそのお女性は乳がんであります。
そろそろ、手術ではあるまいか…と気づき、それでワカサギで供養しようかと考えた次第でありました。
男にとって乳房を失う女心については、いまひとつピンとこないのであります。
「もうひとつ残るからイイではないか」
などという軽い気持ちではなく、ピンとこないだけに、非常に心配で、また不安なのでございます。
取る前に、摘出する側のオッパイの最後の男になった方がイイのではあるまいか…などと真剣に構えたりもいたしますです。
「エッチを軽んじているからそうなるのだ」
と、なかなか下ネタにものらないお女性でありますが、そう言いましたら、
「わたしもそうたったかもしれないと思う」
と妙に素直だったところが、いまとなっては気になるのでありますです。
揚げたての天ぷらは、ふんわりと口の中で弾力がございます。
乳房を失うということは、濁情とかそういうことと縁遠くなるのか、それともぜんぜん関係なく、濁情に溺れられるのか、いやいや、やはり人生において、ひとつの重大な出来事に違いないのだから、濁情云々などという余裕はなく、ひとり怯えているに違いないとも思えるのでありますです。
飲み友達でありますから、会うときは酔っぱらっておるのであります。
いちどだけ昼間に素面で会いましたら、なにを喋ったらいいのか困りました。
ワカサギを食い終わり、携帯のメールを見つめているのでありました。