2013
09.17

コジツケになるのでありますが、このたびのモリオカへの凶方位の天盤「辛」は、「味覚」という意味も含まれているのであります。

画像のグロテスクなモノがそれでありますです。

初茸。
耳になじみのないお方もいるでしょうけれど、初茸は夏の終わりに採れるキノコなのであります。

私メは、初茸のない秋は、まことに味気のない秋であります。
昨年は、どこに行ってもありませんでした。

亡父が生きていたころは、山に分け入り、籠にどっさりの初茸を採ったものでありますです。
形の崩れないように羊歯を籠にしいた初茸は、山の香りでありました。

今朝、実家から駅まで向かう道すがら、初茸を売っている店をみかけ、思わず購入。

それを、醤油と酒で煮詰めるのであります。唐辛子を一本入れることが秘訣でございます。
初茸に限らず、この料理方法は、だいたいのキノコに適応できますです。

ご飯にのせて食うと、ああ、森の精気を取り込んだ気分になるのであります。
「今年は食えた…」
という満足感と申しましょうか安心感のようなものが心に沁みるのでありました。

思い出せば、いちど毒キノコにやられたことがあり、以後、キノコを見ると吐き気をもよおしたものでありましたが、それを乗り越えた現在は、夏の終わりの雨の翌日など、亡父のあとをついて山に入っていったことを懐かしく思い出されてならないのでございます。
毒婦に騙され、が、最後には毒婦から「十にちょんちょん」とせっつかれたような武勇伝のようなものでございますです。

こういうようにキノコを調理し熱いまま瓶詰いたしますと、冬にもキノコを楽しめるのでございますですよ。