03.04
1週間も経つというのに金持ち前夜祭ロスのメールが届いているのであります。
が、私メはmoneyRossでございます。請求額を振り込んで大きなクシャミを2発。
グレたように肩をゆすって松屋のガラスドアを開けるのでございました。
「あとは恐怖の確定申告が残っているなぁ」
自然と表情は険しいものになるのでありました。
「お客様、食券を…」
の店員に促されるのでしたが、タッチパネルというものは妙に焦るものでして、はて、牛カルビ丼は…と画面に表示されているのに、目に入りませぬ。
「お客様…」
「なんだ」
と小うるさい店員であります。
「カウンターがよろしければ」
などと急かすので、
「いや、こちらでよろしい」
とテーブル席に。
ふふふ、これらのドレッシング類はそろえてあるようだな。
考えれば、松屋の味は分からないのであります。
なにしろ、丼が運ばれた瞬間に、これらドレッシング類をすべて大量にぶっかけるからであります。松屋の味など知ってどうする。
ほーれ、芸術的にぶっかけてやったのであります。
紅ショウガだけは中国の毒が強すぎるので敬遠。
店員も、こちら向きのカウンター席の親父たちも「あれあれあれ、なにかあったんですかい?」てな顔で私メと丼とドレッシングを見ております。
松屋での作法は、音を鳴らして食うこと。これに尽きますです。
噛むごとに口を開くと独特な食音が発せられます。
「まんまみーや!」
なんて眉をひそめられても知ったことではございませぬ。
すると心までヤクザになるから面白うございます。
最後に肉汁をズズズーッとやりましてお仕舞。
不思議にもこれでmoneyRossの落ち込みから回復したのでございます。
みなみな様も、悲しいことがあったなら、この作法でやってみてみてくださいまし。じつに効果のある方法でありますですよ。
思いっきりのしかめっ面から店内に入ることを、まずお忘れなく。