2017
06.23

東京では、他人の生年月日をもとにして収入を得ている私メでありますが、郷里では、身内の命日に忙殺されるのであります。

老母の趣味は、葬式と法事と墓参りなのでありますから。ウキウキと浮き立つのであります。

「あや、今日は佐賀美ネェさんの祥月命日だぁーん」老母に言われまして、人里離れた山奥の墓地まで参りました。

佐賀美ネェさんとは、亡父の姉、つまり伯母であります。
死んでから41年目でありました。

昨日から、じつは気づいていましたが、言えばおそらく「連れてってけねえんか」とお墓への運転を頼まれると確信していましたので、トボけておったのであります。
いちにちムダなるわけであります。

が、結局は、山を越えて北上山地が、木々の間に間に眺められる墓地に。

<サガミオバシス>という電報を大久保のアパートで受け取った時の記憶は鮮明であります。23歳だったかの勃起盛りの頃でありました。お女性の忘れてった赤い傘をさして、雨の夜道を濡れながら、大久保駅の公衆電話まで走り、詳細を聞いたのでございます。

明日もまた別の法事。
享年月日の占いは…と考えましたが、何を占えば良いのでありましょうか。「死後占い」も面白いかもしれませぬ。
あるいは、身内の享年月日で、残された家族の行く末を予言するというのも斬新でありましょう。
悪徳占い師が多数出現しそうな気も致しますです。

「おいおい」
とクルマに戻る私メに声をかけた亡霊がおりました。
「分かってる、分かってる」
と、伯母の夫の与一郎氏のために、墓に戻りタバコを一本供えたのであります。
タバコを吸いたいと言いつつ死んだ義伯父でありました。

この伯父が死んだのち、1年と数日して、伯母は急死。
なにか因縁がありそーであります。
フーム、享年月日占いか…。

開眼!!!