2020
09.20

不気味なホラー館から、十傳事務所がスタートしてのでございます。

二冊ほど本が出ましたが、まだまだ貧しく、部屋代の安い場所を探しておりましたら、神保町に、空襲を免れたしもた屋がございまして、「入居者募集」と張り紙が張られておりましてので、即決したのでございます。

それ以前は、東北沢に1Kのマンションを借りており、場所のせいか、
「とどめを刺して~」
のようなお女性が酒臭い息を漂わせながら深夜に訪ねてきたりして仕事にならなかったのであります。
また、ギャンブル大帝が、編集部ごと独立し、数カ月間の収入が途絶えまして、撤退していたのであります。

そーして見つけたのが、画像の、なんとも味しかない事務所だったのであります。

が、そのつつましい姿勢に同情したのか、どどっと仕事が舞い降りたのでございます。

1997年から2001年まで、ここで仕事をしたのでございました。

私メ40代前半。
当時は、
「あと10年若ければ…」
と思っておりましたが、徹夜のきく若さでございました。

たまに神保町を通りがかりますが、もう、あの頃の気持ちがどうだったのか思い出すことはございません。なぜか、すべて夢だったような気がいたします。

一階の入り口に、「今日の運勢」とかを出しても、鑑定客は皆無。
「なんだこりゃ、十傳事務所? あやしー~」
の声が下から聞こえた時には、恥ずかしさに思わず首を縮めたものでございます。

銀座のママや政治家の奥さんが来はじめて、
「いよいよ易者だぞ」
実感したのは、しばらくしてからのことでございました。