2023
09.05
09.05
山手線に乗車するのは久しぶりでした。
先頭車両から運転席越しにひろがる光景は、とても新鮮なのでありました。
「こういう風景を見ているのか」
運転手が羨ましく感じられるのであります。
いつもだと、横側の景色しか見ることが出来ません。
なにが起きるのか、横側では分かりません。
景色なんて見ている人は少なく、ほとんどの方々はスマホに目を落としているのではありますが。
けれど、前方の風景を見るというのは、運命を知るというのに近い感覚かもしれません。
次の大運で何が起きるのか。
そしてどー対処すれば、その大運を効果的に利用できるのか。
悪さはどんなことか。病気か、トラブルか、失恋か。
私メは少年のよーに、前方の光景の変化に目を奪われておりました。
東京駅でホームに降り立った時、いつもと違う感覚になっておりました。
不思議な夢を見たあとのよーな。
いや、まだ夢を見続けているよーな。
いつもの東西線では、後尾車両から、通り過ぎるホームやそのホームが遠ざかる暗闇ばかりを見ているのであります。
それはそれで過去を振り返ることに似ていまして、おのずと思考も過去の幻想ばかり。
老年に達して、「未来」を語ることはオショシイことではございますが。
でも、この先、いかなる老女と知り合うかを夢みてゾッとするのも、死ぬまでの時間つぶしになりそーであります。