2025
11.16
大船へ行ってまいりました。
家から三つ先の駅でありますが、ここ10年ほどは通り過ぎるだけの街。
通り過ぎつつも車窓から、大船観音の白い不気味な姿だけは目にしておったのでございます。
「いつかは…」
と思いつつも、いつでも行けると足を向けたことはございませんでした。
それが、どー言うわけか、
「行ってみよう!」
発作的に、インフルエンザの蔓延する普通電車に乗り込んだのでございました。
長い階段をのぼり詰めれば、もう、そこは大船観音。
ぐるりと裏に回ると胎蔵仏が安置され、その上は納骨堂。
望みは特にはございませんでしたが、一応、手を合わせました。
多くの人たちは、金運上昇とか、宝くじ当選とか、志望校合格を祈願いたしますが、じつはそれはタブー。かえって良くないことがおきることを知りません。
べろべろと浪費したり、くるくるパーになりったり。
四つのタブーの中の一つは、コレなのであります。
ではどーするか。
たとえ今の自分が、自分が願わぬ人生の暗闇に彷徨っていたとしても、今の自分のあることを感謝しなければならぬのであります。そのよーに感謝の念を捧げよーと、神様はそれに報いる幸運を授けてくれないとしても。いや絶対に授けてはくれません。無駄なのであります。
お金がない、病気に苦しんでいる、仕事がうまくいかない、好きな人と結ばれない、何もかもが望みどおりにならない、不合格だったとしても、それらの不幸は他人の幸運の礎なのであります。この人生の理不尽を諦めてこそ、ほんのわずかな和みを与えてくれるのであります。
とおく眼下には大船の駅、その向こうには家々が密集し、山の向こうは鎌倉の街なのでございます。
そこで人々は生まれ、成長し、幸不幸の時間という風に巻かれ、そして死んでいくのであります。死はかならずやってまいります。
拝んでも拝んでも神様は沈黙しておるばかりであります。すがってもすがっても、神様は冷たい微笑を浮かべるだけであります。
「ふふふっ」なんだかバカバカしいのであります。
やはり占いだろうな。
参道をおり、ゴホンゴホンと咳込む塵芥に混じりつつ、私メは来る冬に備えて靴下を二足求めて帰路に復するのでございました。、
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2025
11.15
大きな毛ガニを頂きました。
ああ、そんな季節なのだなぁと、11月のカレンダーを眺めたのであります。
日々の過ぎ去るのが、とてもはやく、ついこのあいだは、桜見物をしてばかりでは…など完全にボケ老人になってしまっている自分に呆れました。
私メの日々はとても単純でございます。
1か月のうち8日間ほどはモリオカ。
1週間の2日間は十傳スクール。
1日はほとんど仕事。あとはボンヤリ。
城崎に旅行して香住蟹でも…と思っても、腰があがりません。九州でうどんを…と思っても、どうせ帰ってくるのかと考えると面倒になるのであります。
というわけで時間は滝のように流れ、いまは冬間近。
いやいや人生の冬なのであります。
居酒屋で酒を…と周囲を見回すと、私メがイチバンの長老だったりして愕然といたすのであります。ついこの前は、ゴーゴー喫茶に入り浸っていたのに。
あの頃の少女たちはどこへ行ったのか。
ファンではまったくございませんが、あべ静江のむごい老い方。伊藤咲子などは当初から酷かったのですが、もはや二目と見られませんです。ジュンとネネはまだ存在しているのか。
こーなりますから、現在、若いお女性をAIを使わずとも、どのよーなオババ殿になるのか見当がつくのであります。涙堂に小じわが寄り、瞼が下がり、頬の皮膚はだぶつき、口元の小じわ。
ああ、あーなっていくのであろーなぁ。
逆もございます。
老いたお女性から、若かりし頃の表情を彷彿とさせる部所を発見した時の感動は、またひとしおの歓びでございます。
ああ、蟹さん、蟹さん、でございます。
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死の扉 /
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2025
11.14
亀のカメ子の食欲が落ち、水槽でしきりに穴を探しているよーに動いているのであります。
冬眠の時期なのでございます。
5月までトイレの奥の水槽に移さなければなりません。
人間も、冬を迎えるいま、ひたすら睡魔が襲ってくるではありませんか。
半年間、すべてをチャラにして冬眠したら、どんなにしやわせでしょーか。
仕事も中断、電気もガスも元栓を締めて、おやすみなさい。
恋も、「また春までね」と別れを告げ、ひとりきりになるなんて、それは一つの理想でございます。
「別々の夢をみるのね」
「春になったら同じ夢をみよーよ」
冬眠祭りなんて行事ができるかもしれません。
「全国民の皆様、桜の咲くころに、またお目にかかりましょー」
などとキャスターが別れと再会を告げ、子供などは友達の頭を叩いて「仕返しは春までオアズケ」と暖かな自宅へ帰るのであります。
しかし、南半球の奴らが襲いにくるかもしれませんね。
有り得ないことを空想してもせんなきこと。
まずはカメ子を冬眠の水槽に移すことにいたしますです。
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