2010
12.23
北の街の坂道を歩いているのであります。
記憶では、この近くにラーメン屋があるはずであります。
小汚いそのラーメン屋で塩ラーメンを食うことが、このたびの逃避旅行の目的の一つといっていいでありましょう。
この坂道の下の道に、そのラーメン屋はあり、しかし本日は天皇の誕生日とかで休日なので、あったとしても開店しているかどうか。
あった、あった、あった。
しかも開店を示す暖簾が粗末に風に揺れていたのでありました。
百円値上がりして、塩ラーメンが5百円。
なんと懐かしいお味でありましょうか。
これほどまでに向上心を抑え、古い味をそのまま残すということは容易なことではありません。
「おおっ、東京の人じゃねぇの、いつかの」
と主人の釜谷氏は、目で私にいっておりました。
あっという間に食い終り、あとは店を出るしかないのであります。
ふたたび風の強い街の殺風景な舗道を歩くのでありました。
またいつ、このラーメンを食えるか分かりませんが、また来たときには、目で「知ってるよ」といって欲しいものだと思うのでございます。
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2010
12.23
すべてキャンセルいたし、羽田から飛行機に乗ったのでありました。
嵐は去り、上空から東京が美しく見下ろせるのであります。
JALがなぜ傾いたのか分かりました。
スッチーさんが50代のオバちゃん揃いなのです。
いちおうはエレガントで知性的で美人なのですが、あきらかに白髪染めをしたと分かる方々が大半。
デニーズにいるような錯覚をおぼえるのでした。
30年前のデニーズは花の女子大生を置いていて「ようこそ、デニーズへ!」と張り切っていたものであります。
それが、現在では疲れ切った主婦が…まてよ、あの花の女子大生がそのままいついているのでは………などとどうでもいいことを考えるのでありました。
どうも意識が混濁しているのです。
きっと空腹だからだろうと、羽田で購入した空弁を開くのでありました。
さてさて私はどこへ向かおうとしているのでしょうか。
むろん、私自身は機がどこの空港に降りるのかは知っておりますです。
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