2010
12.21

DSCN6364電話があり、待ち合わせに向かったところが、飯田橋のお堀にあるカナル・カフェであります。

12月とは思えないほどの暖かな午後でありました。

眩しい逆行がビルの陰に隠れると、たちまち夕暮れの涼しさが戻ってくるのでありました。

自由だ…。

年に何回もありませんが、私は自由な仕事をしていたのだとあらためて思い出すのであります。

「あなたの生き方はぜんぜん参考にならない」
などと飲み屋で言われたりいたしますが、参考になるために生きているのではありません。

が、そう言われますと、いちまつの淋しさもございます。

「羨ましい」
とも言われます。
たしかに好きな時に仕事をし、気が向いたら旅行をしますから、羨ましがられても否定はできませんけれど、何かが違うのであります。

それはきっと一人だからであります。
一人だからといって孤独を感じるわけではありませんが、同行してくれる誰かがいれば、それはぜんぜん違う思いを抱くことは分かっておるのであります。

逆光は向かいに座っている人の顔まで分からなくさせます。
言葉は聞こえても、誰の姿も見えません。

水音がして、視線を転じると鯉が背びれで水面を叩いているのでありました。